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2040年に期待するプライマリ・ケア[3]―看護の立場から[プライマリ・ケアの理論と実践(191)]

No.5211 (2024年03月09日発行) P.12

酒井郁子 (千葉大学大学院看護学研究院教授)

登録日: 2024-03-08

最終更新日: 2024-03-05

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SUMMARY
2040年にはプライマリ・ケア領域で活動する多様な背景と能力,経験を有する看護師が増加する。そのことにより,患者・利用者を志向した流動的で柔軟な多職種の連携協働が推進され,職種間の障壁はさらに低減していくと考えられる。

KEYWORD
相互依存性
近年,専門職的自律性(professional autonomy)の定義は「患者に最善なることに関心を寄せて行為すること」「職種間で重複して実践が行われるときは相互依存的に意思決定されること」という概念が含まれたinterprofessional professionalismへと変化している。

  

酒井郁子(千葉大学大学院看護学研究院教授)

PROFILE
千葉大学大学院看護学研究院先端実践看護学研究部門教授・専門職連携教育研究センターセンター長・医学部附属病院総合医療教育研修センター副センター長。日本看護系学会協議会副理事長・看保連副理事長。博士(東京大学・保健学)。看護師・保健師。

POLICY・座右の銘
臆せず,逃げず,ごまかさず


1 2040年のプライマリ・ケア

現在の医療はどのような分野でも例外なく,単一職種でその専門職のタスクを完結することができない。つまり,どの専門職であっても完全に「自律」した実践はできない。「自律」という用語は既に専門職の実践に使用されるものではなく,患者・利用者の「自律」という文脈で使用される用語となっている。そのため,資格取得前の教育の時点からケアの質の向上をめざした専門職連携教育がカリキュラムに組み込まれつつある。

2040年には,患者・利用者中心の診療・ケアをそれぞれの専門職が責任をもって行うこと,それぞれの専門職が患者の最善のケアをめざして連携することは,「当たり前のこと」となる。各専門職が相互依存的に関連するということは,患者・利用者への最善のケアのために互いの知識,判断といった内面の力を共有し,古典的・固定的な「役割分担」から脱却し,必要なことをそれぞれ承認し合うということに他ならない1)

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