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結節性紅斑[私の治療]

No.5208 (2024年02月17日発行) P.51

神田奈緒子 (日本医科大学千葉北総病院皮膚科部長/教授)

登録日: 2024-02-16

最終更新日: 2024-02-13

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  • 結節性紅斑は,両下腿伸側に好発する,潮紅と圧痛を伴う皮下結節~硬結である。病変部の境界はやや不明瞭,紅斑は指頭大~鶏卵大で,潰瘍になることはほとんどない。全身症状として,発熱,全身倦怠感,関節痛などを伴うことがある。結節性紅斑の1/3~1/2は原因不明の特発性,その他は感染症(溶連菌,エルシニア,マイコプラズマ,クラミジア,結核など),炎症性腸疾患(Crohn病,潰瘍性大腸炎),サルコイドーシス,Behcet病,Sweet病,悪性腫瘍(リンパ腫,白血病など),肉芽腫性乳腺炎などの基礎疾患あるいは妊娠,薬剤投与(経口避妊薬,サルファ薬,ペニシリン,ヨード,プロトンポンプ阻害薬,抗ロイコトリエン薬など)に伴って発症する。急性型は2~4週で瘢痕を残さず消退する。慢性型は長期にわたり消退と再発を繰り返す。

    ▶診断のポイント

    臨床症状から本症を疑ったときは,基礎疾患の有無について病歴を聴取する。確定診断には皮膚生検を施行する。皮下脂肪の小葉間結合組織に炎症を生じる皮下脂肪織炎(septal panniculitis)を呈する。初期病変では好中球,リンパ球が浸潤し,病期が進むとリンパ球主体となり,その後,組織球が現れ,脂肪織隔壁に類上皮細胞と多核巨細胞の集簇(Miescherの小肉芽腫)をみることがある。明らかな血管炎の像はない。血液検査所見ではCRP上昇,赤沈亢進,白血球増多がみられるが,これらの所見に乏しい場合もある。感染症,基礎疾患が疑われれば,それらに対する検査を進める。

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