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カラーアトラス 皮膚症状110症例でみる内科疾患【電子版付】

皮膚症状と口腔粘膜症状を手がかりに、内科疾患にアプローチ!

定価:7,700円
(本体7,000円+税)

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編集: 出光 俊郎(自治医科大学附属さいたま医療センター皮膚科教授)
判型: A4判
頁数: 256頁
装丁: カラー
発行日: 2018年09月10日
ISBN: 978-4-7849-5720-0
版数: 第1版
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

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■皮膚科医でない医師が日常診療で皮膚症状と口腔粘膜症状をみたとき、どのような疾患を想起すべきか?

見開き2頁で、疾患特有の皮膚症状(口腔粘膜症状)と、間違えやすい似たもの画像とを比較できるよう構成。

この1冊で、皮膚症状と口腔粘膜症状を手がかりとして内科疾患を想起するための勘ドコロがわかります。

110症例の皮膚(口腔粘膜)写真とツボを押さえたコンパクトな解説により、皮膚(口腔粘膜)症状から内科疾患にアプローチするポイントを押さえられます。プライマリ・ケア医、内科医、総合診療医必携の皮膚アトラス!

【内容】

第1章 心疾患と皮膚症状
第2章 悪性腫瘍と皮膚症状
第3章 膠原病・血管炎と皮膚症状
第4章 関節リウマチと皮膚症状
第5章 内分泌・代謝疾患と皮膚症状
第6章 腎臓疾患と皮膚症状
第7章 消化器疾患と皮膚症状
第8章 栄養障害と皮膚症状
第9章 肉芽腫性疾患と皮膚症状
第10章 感染症等と皮膚症状
第11章 性感染症/免疫不全と皮膚症状
第12章 薬剤副作用と皮膚症状
第13章 アナフィラキシー・蕁麻疹様症状を示す疾患と皮膚症状
第14章 妊娠に伴う皮膚疾患
第15章 内臓疾患と口腔粘膜症状

診療科: 皮膚科 皮膚科

目次

第1章 心疾患と皮膚症状
1. 虚血性心疾患① ─ Frank 徴候
2. 虚血性心疾患② ─ 弾性線維性仮性黄色腫
3. 心不全─ アミロイドーシス
4. 不整脈─ 心臓サルコイドーシス

第2章 悪性腫瘍と皮膚症状
1. 白血病─ 皮膚浸潤(持続性勃起症様症状および乳腺腫脹)
2. 成人T細胞白血病(ATL)
3. Sweet病
4. 悪性リンパ腫① ─ 持久性隆起性紅斑
5. 悪性リンパ腫② ─ Hodgkin 痒疹
6. 悪性リンパ腫③ ─ 腫瘍随伴性天疱瘡
7. 内臓悪性腫瘍① ─ 皮膚転移
8. 内臓悪性腫瘍② ─ Sister Mary Joseph 結節
9. 内臓悪性腫瘍③ ─ 上大静脈症候群
10. 内臓悪性腫瘍④ ─ 黒色表皮腫
11. 内臓悪性腫瘍⑤ ─ 紅皮症
12. 内臓悪性腫瘍⑥ ─ Muir-Torre 症候群
13. 内臓悪性腫瘍⑦ ─ 腫瘍合併粘膜類天疱瘡
14. 内臓悪性腫瘍⑧ ─ 匍行性迂回状紅斑
15. 内臓悪性腫瘍⑨ ─ Bazex 症候群

第3章 膠原病・血管炎と皮膚症状
1. 全身性エリテマトーデス(SLE)
2. Sjögren症候群
3. 新生児エリテマトーデス
4. 抗リン脂質抗体症候群
5. 結節性多発動脈炎
6. ANCA関連血管炎
7. IgA血管炎
8. 側頭動脈炎
9. 再発性多発性軟骨炎
10. 全身性強皮症
11. 混合性結合組織病
12. 好酸球性筋膜炎
13. 成人Still病
14. 皮膚筋炎① ─ 内臓悪性腫瘍合併
15. 皮膚筋炎② ─ 急速進行性間質性肺炎合併
16. IgG4関連皮膚疾患
17. クリオグロブリン血症

第4章 関節リウマチと皮膚症状
1. 関節リウマチ① ─ リウマチ結節
2. 関節リウマチ② ─ リウマトイド血管炎

第5章 内分泌・代謝疾患と皮膚症状
1. 甲状腺疾患① ─ 脛骨前粘液水腫
2. 甲状腺疾患② ─ 色素沈着
3. 糖尿病① ─ 壊死性筋膜炎・Fournier 壊疽・ガス壊疽
4. 糖尿病② ─ 糖尿病性潰瘍・壊疽(下肢)
5. 糖尿病③ ─ 汎発性白癬・広範囲体部白癬
6. 糖尿病④ ─ リポイド類壊死症
7. 糖尿病⑤ ─ 後天性穿孔性皮膚症
8. 糖尿病⑥ ─ 糖尿病性水疱
9. 糖尿病⑦ ─ 汎発性環状肉芽腫
10. 糖尿病⑧ ─ 足の疣贅状・胼胝状病変(VSLDN)
11. 糖尿病⑨ ─ Dupuytren 拘縮
12. 糖尿病⑩ ─ インスリンボール
13. 糖尿病⑪ ─ 色素性痒疹
14. 脂質異常症─ 黄色腫
15. 高尿酸血症─ 痛風結節
16. Addison病─ 色素沈着
17. ヘモクロマトーシス─ 色素沈着
18. POEMS症候群

第6章 腎臓疾患と皮膚症状
1. 慢性腎不全① ─ カルシフィラキシス
2. 慢性腎不全② ─ 痒疹
3. 急性腎障害─ コレステロール結晶塞栓症

第7章 消化器疾患と皮膚症状
1. Degos病
2. 消化管ポリポーシス─ Peutz-Jeghers 症候群
3. 炎症性腸疾患─ 結節性紅斑
4. 潰瘍性大腸炎─ 壊疽性膿皮症
5. 消化器症状を伴うBehçet病─ アフタ・結節性紅斑
6. 消化器癌─ Leser-Trélat 徴候
7. アルコール性肝障害─ 良性対称性脂肪腫症
8. 肝硬変─ Vibrio vulnificus による壊死性筋膜炎
9. 肝硬変─ 晩発性皮膚ポルフィリン症
10. 膵疾患─ 皮下結節性脂肪壊死症

第8章 栄養障害と皮膚症状
1. 亜鉛欠乏症
2. ペラグラ
3. グルカゴノーマ症候群─ 壊死性遊走性紅斑

第9章 肉芽腫性疾患と皮膚症状
1. 結核
2. Hansen病

第10章 感染症等と皮膚症状
1. ツツガムシ病
2. デング熱・ジカウイルス感染症
3. 伝染性紅斑
4. 麻疹
5. 伝染性単核症・EBV感染症
6. 汎発性帯状疱疹
7. 川崎病
8. 肛囲溶連菌性皮膚炎と溶連菌感染症

第11章 性感染症/免疫不全と皮膚症状
1. HIV関連Kaposi肉腫
2. 梅毒

第12章 薬剤副作用と皮膚症状
1. Stevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症
2. 薬剤性過敏症症候群(DIHS)
3. 薬剤による光線過敏症
4. 腎性全身性線維症
5. DPP-4阻害薬関連水疱性類天疱瘡
6. MTX関連リンパ増殖性疾患

第13章 アナフィラキシー・蕁麻疹様症状を示す疾患と皮膚症状
1. 遺伝性血管性浮腫
2. 食物依存性運動誘発性アナフィラキシー(特に経皮感作によるもの)
3. 自己炎症症候群─ 蕁麻疹様皮疹

第14章 妊娠に伴う皮膚疾患
1. 妊娠性痒疹
2. 妊娠性類天疱瘡
3. 疱疹状膿痂疹

第15章 内臓疾患と口腔粘膜症状
1. 血液疾患と口腔粘膜症状① ─ 白血病・アミロイドーシスでみられる口腔症状
2. 血液疾患と口腔粘膜症状② ─ 舌炎
3. 血液疾患と口腔粘膜症状③ ─ 出血傾向
4. 消化器疾患と口腔粘膜症状
5. 性感染症と口腔粘膜症状
6. マイコプラズマ感染症と皮膚・口腔粘膜症状
7. 薬剤性口腔粘膜潰瘍
8. 薬剤関連顎骨壊死

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序文

我々皮膚科医は、 内科疾患を反映する皮膚疾患群をデルマドローム(dermadrome=dermatology+syndrome)と呼んでいる。皮膚の症状から、あっと驚く隠れた内臓疾患を発見することは皮膚科医の夢(デルマドリーム)と言ってもよいかもしれない。昔から皮膚は内臓の鏡と言われてきた。しかし、デルマドロームの診断には空振りが多い。確かに、デルマドロームは、疾患によっては的中率が低く、EBMに合わないという意見もある。しかし、皮膚をきっかけに意外な全身疾患を発見できれば、まぐれでもよいのである。皮膚筋炎と悪性腫瘍やDegos病と急性腹症など皮膚症状と全身性疾患の関連性が強いものもある。特に皮膚筋炎では抗TIF1-γ抗体が責任抗体であることなど解明が進んだ。グルカゴノーマ症候群の壊死性遊走性紅斑は栄養障害による皮膚病変であり、亜鉛欠乏症の皮膚炎は刺激性皮膚炎であることなど、その実態もわかってきた。Osler病やPOEMS症候群の血管腫は誰でも症状は読めるが、疾患を知らなければ診断に至らない。全身疾患の早期発見につながるような皮膚症状を見逃さない診断力とトレーニングが、総合診療医をはじめ、内科医に求められている。
一方、漢方医学では、古来から舌の診察(舌診)が基本とされており、口腔粘膜から内臓の状態を知ることの大切さが受け継がれてきた。近年、口腔粘膜症状が知らせる全身性疾患として、オラドローム(oral medicine+syndrome)という概念が提唱されている。打ち身のような紫斑に口腔内血腫があれば血小板減少性紫斑病を疑い、歯肉の腫れや出血から白血病が見いだされることもある。口腔内の結節は腫瘍のほかに、サルコイドーシスやアミロイドーシスのこともある。このように口腔という小さな洞窟に光を当てれば、内科疾患の手がかりなど多くの情報が得られる。まずは口腔内も丹念に診察し、皮膚症状においても小さな所見を見逃さないことから始めたい。
さらに空振りを恐れず、皮膚や口腔の所見から大胆に全身疾患の検索をする試みも重要である。疑わなければ見いだせない。デルマドリームとオラドリーム、 この壮大なるDUAL DREAM─夢の実現に本書が役立てば望外の喜びである。

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レビュー

皮膚症状と口腔粘膜症状が知らせる内科疾患:デルマドロームの集大成

菅原 斉(自治医科大学附属さいたま医療センター総合診療科教授)
デルマドローム(Dermadromes)とは、何らかの内科疾患と関連して生じる皮膚病変のうち、特に診断に役立つものである。昨年12月末の週刊日本医事新報(No. 4887)の特集は、出光俊郎教授監修による「皮膚病変でみる内科疾患」であった。私は、このデルマドロームの特集で、オラドローム(Oradromes=Oral medicine+syndromes)も初めて知った。そうか、半年前に、口腔内びらんで診療した腫瘍随伴性天疱瘡を患っていた濾胞性リンパ腫の患者さんは、オラドロームだったのか。出光先生にお会いしたとき、「私たち内科医や研修医にとって画期的で素晴らしい特集ですね」とお声がけさせていただいた。
この特集を発展させ、まったく新しいコンセプトでデルマドロームとオラドロームを集大成させたカラーアトラスが、出光先生の監修により上梓された。15の内科疾患群ごとに、104の皮膚症状と口腔粘膜症状がまとめられている。単なる皮膚病アトラスではなく、110の症例を提示した構成は、疾患の理解と記憶を助ける工夫であろう。執筆者は、全国の専門家105名に及び、すべての皮膚症状を見開きに、統一された構成でまとめているので、大変わかりやすい。
特に、皮膚所見の明瞭な「カラー写真」と内科疾患に関連付けられた皮膚疾患の「タイトル」は、まさに、“at a glance”。ひと目見ただけでよくわかる。糖尿病だけで、11のデルマドロームが示されているのは圧巻である。皮膚症状から診断される悪性疾患は、「意外な驚き」だけでなく、早期診断によって患者さんの救いにつながる可能性も秘めている。
また、巻末の袋綴じに記載されたシリアルナンバーを日本医事新報社Webサイトのマイページに登録すると、スマホで全文を閲覧できるだけでなく、日本医事新報の「関連記事・論文」のリンク先が示される。
すべての内科医の座右に置きたいデルマドロームとオラドロームのカラーアトラスである。指導医もこのカラーアトラスによってデルマドロームに習熟し、研修医にも「意外な驚き」を経験させてほしい。

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