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■NEWS 「外来腫瘍化学療法診療料」における指針作成などが論点に―中医協

No.5193 (2023年11月04日発行) P.70

登録日: 2023-10-25

最終更新日: 2023-10-25

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中央社会保険医療協議会は1018日、がん対策などをテーマに意見交換した。「外来腫瘍化学療法診療料」における対象患者の基準や指針作成の要件化、専任医師等の常設配置基準の見直しなどを巡り各側の意見が対立する場面があった。

外来化学療法を実施する際は、事前のマニュアル作成や副作用に関する相談などに24時間対応する連絡体制の整備が医療の質の確保と医療安全の観点から望ましいとされる。

厚生労働省によると、対象患者に関する基準や指針は「外来腫瘍化学療法診療料」の届出病院では74%、同診療所は58%が作成しているが、非届出病院・診療所は作成していない割合が89割と圧倒的に多い。

一方、24時間対応の連絡体制について「外来腫瘍化学療法診療料」の施設基準は、専任医師等を常時1人以上配置し、患者からの電話緊急相談等に24時間対応することを求めている。旧「外来化学療法加算12」の届出診療所で常時配置が困難な場合は、24時間の連絡体制があれば243月末までの間は「外来腫瘍化学療法診療料2」の算定が可能。ただ、「同診療料2」の届出診療所(23施設)は、旧「加算2」の届出診療所数(307施設)に比べると大幅に減っており、常時配置する人員の確保が障壁になっていることが窺える。

こうした実態を踏まえ厚労省は、①外来化学療法における基準や指針のあり方、②専任の医師等を常時1人以上配置できない施設の時間外の対応体制等について、医療機関間の連携を含めた「外来腫瘍化学療法診療料」の評価のあり方―を論点として総会に提示した。

■基準や指針作成の要件化を巡り支払側と診療側が対立

基準や指針の作成について、支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、「『外来腫瘍化学療法診療料』の届出施設では作成が当たり前になるように関連報酬を厳格化するべきだ」と要件化を提案。しかし診療側の長島公之委員(日本医師会常任理事)は「次期改定で一律に作成を義務化することには反対だ」と表明した。

また、長島委員は「外来腫瘍化学療法診療料2」の専任医師等の常時配置について、「時間外の対応は診療料1の算定医療機関とレジメンなどを共有した上で連携することが考えられる」と、基準緩和の方向での検討を求めたが、松本委員は、「施設基準の安易な緩和には反対だ」と異議を唱えた。

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