株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

粘液囊腫・ガングリオン[私の治療]

No.5192 (2023年10月28日発行) P.50

八田尚人 (富山県立中央病院皮膚科・遺伝診療科部長)

登録日: 2023-10-27

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 粘液囊腫・ガングリオンはゼリー状の内容物を含んだ囊胞であり,関節包や腱鞘に隣接して発生する。成因は諸説あり,両者の区別も厳密には定義されていないが,一般には粘液囊腫は囊腫壁を有さない偽囊腫を,ガングリオンは線維性結合織よりなる囊腫壁を有するものを指す。

    ▶診断のポイント

    好発部位は手指の遠位指節間関節背,手掌の中手指節関節部,手関節背等であり,足背や手指,肩,肘にみられることもある。本症は関節と関連していることから整形外科でも扱われるが,皮下結節として皮膚科を受診することも多い。

    遠位指節間関節背の粘液囊腫は,典型的には後爪郭に透明な内容物を内包した小結節(水疱)として認められる。ただし,後爪郭が腫脹しているのみの状態や,爪の縦溝を主訴に来科する場合もある。爪の変化は縦方向に陥凹した線条としてみられ,近位爪郭に膨隆を伴うことが多い。臨床的に診断が困難な場合は,超音波やMRI等の画像検査が有用である。

    粘液囊腫は口唇にも発生する。口唇粘膜の粘液囊腫は小唾液腺由来の囊腫であり,導管の閉塞により導管内部に唾液が貯留するタイプと,導管の損傷により唾液が組織中に逸出して貯留するタイプがあり,後者が多い。誤って噛むことの多い下口唇内側に透明な内容物が透見される小結節としてみられ,診断は容易である。出血を伴い青黒く見える場合は,老人性血管腫(静脈湖)との鑑別が必要となる。

    発生部位と囊腫状の触診所見,大きさが変化することがある等の病歴から本症を疑う。

    残り732文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top