株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

■NEWS トリプル改定で物価・人件費「必要な対応を行う」―「骨太の方針」原案

No.5173 (2023年06月17日発行) P.71

登録日: 2023-06-09

最終更新日: 2023-06-08

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

政府の経済財政諮問会議は7日、「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太の方針2023)の原案をまとめた。来年4月の診療報酬、介護報酬、障害者福祉サービス報酬のトリプル改定について原案では、「物価高騰・賃金上昇、経営の状況、支え手が減少する中での人材確保の必要性、患者・利用者負担・保険料負担の抑制の必要性を踏まえ、必要な対応を行う」と記述された。

日本医師会など医療・介護関係団体はこれまで、物価高騰と賃上げにトリプル改定で対応することを「骨太の方針」に明記するよう要求。5月末には関係12団体が合同声明を発表したほか、国民医療推進協議会を開いて同様の決議を採択していた。

今回の原案では、トリプル改定で物価高騰・賃金上昇について「必要な対応を行う」との文言は盛り込まれたものの、利用者負担や保険料負担の抑制にも言及しており、実質的に財源が確保されるかについては年末の予算編成の協議に持ち越された格好だ。

■地域医療構想、医療DXなどに言及

今回の原案では、少子化対策、防衛費などの文案はまだ確定していないものの、社会保障についてはほぼ内容が固まった。

医療・介護は「持続可能な社会保障制度の構築」の中で触れ、「医療の機能分化と連携のさらなる推進、医療・介護人材の確保・育成、働き方改革、医療・介護ニーズの変化やデジタル技術の著しい進展に対応した改革を早期に進める必要がある」と強調。地域医療構想、医療DX、ヘルスケアイノベーションの推進などを具体的な政策課題として列挙した。介護保険については、「利用者負担の一定以上所得の範囲の取扱いなどについて検討を行い、年末までに結論を得る」と書き込んだ。

その上でトリプル改定での対応について、上記の通り記述。続けて「その際、持続可能な社会保障制度の構築に向けて、当面直面する地域包括ケアシステムのさらなる推進のための医療・介護・障害サービスの連携等の課題とともに、以上に掲げた医療・介護分野の課題について効果的・効率的に対応する観点から検討を行う」と記述している。

経済財政諮問会議の検討を経て、政府は6月中旬にも「骨太の方針2023」を閣議決定する予定。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連物件情報

もっと見る

page top