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夜尿症[私の治療]

No.5161 (2023年03月25日発行) P.50

奥田雄介 (北里大学医学部小児科学診療講師)

登録日: 2023-03-22

最終更新日: 2023-03-20

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  • 夜尿症の定義は,わが国の「夜尿症診療ガイドライン2021」によると,5歳以上の小児の就寝中の間欠的尿失禁で,1カ月に1回以上の夜尿が3カ月以上続くものとされている。夜間蓄尿能力,夜間尿生成量,覚醒能力のミスマッチにより起こると考えられている。すなわち,尿量が多い,尿がためられない,起きられないという状況で,これらが複合的に関与すると夜尿が起こる。2通りの分類があり,1つは一次性/二次性夜尿症,もう1つは単一症候性/非単一症候性夜尿症という分類である。一次性夜尿症は基本的に生後から持続する夜尿症で,二次性夜尿症は6カ月以上夜尿が消失していて再び出現したものを言う。昼間の下部尿路症状(昼間尿失禁,尿意切迫感,排尿困難など)を合併しないものを単一症候性夜尿症,合併するものを非単一症候性夜尿症と言う。

    ▶診断のポイント

    治療方針を検討する上で,一次性/二次性あるいは単一症候性/非単一症候性の分類は重要である。二次性では精神上のストレスや併存の身体/精神疾患が存在する可能性がある。非単一症候性では,まずは夜尿症に先行して昼間の症状に対して介入を行うことを検討する。

    夜尿症をきたしうる疾患として,蓄尿能力の減少の原因となる過活動膀胱,下部尿路感染症,神経因性膀胱,後部尿道弁など,多尿の原因となる糖尿病,尿崩症,先天性腎尿路異常,尿細管疾患などが挙げられる。加えて,発達障害や尿管の異所性開口など,夜尿の原因となりうる疾患は多岐にわたる。このような疾患が原因の場合は,原因特異的な治療を考慮する必要がある。

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