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CKD患者に対するMR拮抗薬の使い方について

No.5159 (2023年03月11日発行) P.48

西山 成 (香川大学医学部薬理学教授)

柴田洋孝 (大分大学医学部 内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座教授)

登録日: 2023-03-13

最終更新日: 2023-03-07

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  • 慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者に対するミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬の使い方についてご教示下さい。
    大分大学・柴田洋孝先生にお願いします。

    【質問者】西山 成 香川大学医学部薬理学教授


    【回答】

    【蛋白尿陽性例では最大忍容用量のRAS阻害薬にMR拮抗薬を併用する】

    2型糖尿病に合併するCKDでは,典型的な「糖尿病性腎症」では微量アルブミン尿から顕性アルブミン尿へと増加し,最終的に推算糸球体濾過量(eGFR)が低下する経過を示します。近年,アルブミン尿,蛋白尿が増加する前にeGFRの低下をきたす非典型例もみられ,このような経過のCKDも併せて「糖尿病性腎臓病(diabetic kidney disease:DKD)」と呼ばれています。2型糖尿病に合併するCKDでは,レニン-アンジオテンシン系(RAS)の活性化が腎臓の炎症,線維化をきたし蛋白尿の増加の原因となることが古くから示されており,降圧薬としてはRAS阻害薬が第一選択薬として推奨されます。IDNT試験やRENAAL試験などのアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)とプラセボを比較したランダム化試験では,ARB投与群で有意に腎機能低下が抑制されました。しかし,試験終了後には両群とも透析導入や心血管死が増加し,RAS阻害薬(ARBまたはACE阻害薬)のみでは残余リスクが大きいことが示されました。

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