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CTですりガラス陰影(GGO)のみで構成される小結節の診断と治療 【侵襲性を持つ肺腺癌である可能性を念頭に介入時期を検討】

No.4825 (2016年10月15日発行) P.57

松原寛知 (山梨大学医学部呼吸器外科学講師)

山口正史 (国立病院機構九州がんセンター呼吸器腫瘍科)

登録日: 2016-10-14

最終更新日: 2016-10-14

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  • 近年のCT検診の普及や他疾患の経過観察に際して撮影される胸部CTにより胸部単純X線検査では指摘困難な,いわゆるすりガラス状陰影(ground-glass opacity:GGO)を主体とする小結節影が指摘される頻度が増えました。これらの多くは長径が1~2cmに満たず,気管支鏡検査やCTガイド下生検などでは病理学的診断が困難です。こうした胸部CT上の所見について,どのように診断・治療を検討するべきでしょうか。九州がんセンター・山口正史先生のご回答をお願いします。

    【質問者】

    松原寛知 山梨大学医学部呼吸器外科学講師


    【回答】

    近年のCTの普及に伴い,CT検診や様々な疾患の検査・経過観察中に撮影したCTにより,GGOで構成され内部にsolid部分を伴わないpure ground-glass nodule(pure GGN)が発見される機会が増えています。これらのほとんどは無症候性で,文献的には経過観察中に約10%程度にサイズ増大が認められ,報告により違いはあるものの約60~100%が腺癌であるとされています。

    日本CT検診学会のガイドラインではこうしたpure GGNについて,径5mm以上についてはthin-section CT(TS-CT)で観察し,径15mm以上で確定診断を検討し,径15mm以下でも4回目のTS- CTの間に増大するものは精密医療機関での観察を推奨しています。

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