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■NEWS 23年度中に医療法人の経営情報DBを構築へ―厚労省の関係検討会が初会合

No.5140 (2022年10月29日発行) P.71

登録日: 2022-10-21

最終更新日: 2022-10-21

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厚生労働省の「医療法人の経営情報のデータベースの在り方に関する検討会」は10月19日に初会合を開き、2023年度中の構築を目指す医療法人の経営情報のデータベース(DB)について、収集する経営情報の内容、対象医療法人、国民への情報公開の方法などの大枠を固めた。次回、11月8日は取りまとめに向けた議論を行う。

医療法人から経営情報を収集し、DB化する新たな制度は、国による医療法人の詳細な経営情報の把握・分析と国民への情報開示を目的とし、医療法人に事業報告書等の届出を求める既存の仕組みとは、別の制度として位置づける。厚労省は新制度の意義として、▶効率的かつ持続可能な医療提供体制の構築のための政策の検討、医療従事者等の処遇の適正化に向けた検討、医療経済実態調査の補完、医療が置かれている現状や実態に対する国民の理解促進―などへの活用を挙げている。

この日の検討会で大筋了承された案によると、新制度の対象は、法人税における社会保険診療報酬の所得計算の特例措置(いわゆる四段階税制)が適用されている医療法人を除く、全ての医療法人。届出を求める経営情報は、病院会計準則に基づく病院および診療所の損益計算書、現行の事業報告書等における法人単位の貸借対照表―とする。23年度中に設定する施行日以降に決算を迎える法人から順次提出を求めるが、準備期間を考慮し、届出期限の延長や届出内容の簡素化などの経過措置が設けられる見込み。

給与費は、職種ごとの1人当たり年間給与額を算定することを念頭に、職種ごとの延べ人数(7月1日時点)、暦年(直近1~12月)の職種ごとの給与費の合計額―の報告を求める。届出対象については義務化と任意の2案が示されているが、検討会では任意を支持する声が多かった。

経営情報に紐づける医療法人のIDは、病床機能報告・外来機能報告と共通のものを用い、国が政策利用のための分析を行う際には、これらデータを連携できるようにする。

■国民には属性でグルーピングした経営情報の分析結果を公表

一方、国民に公表する情報の範囲については、個別の医療法人を特定できないよう、属性に応じてグルーピングした医療経営情報の分析結果にとどめる。制度施行後、DBに蓄積された情報が充実した段階で、学術的研究などに使途を限定した「第三者提供制度(仮称)」も創設する予定。

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