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細菌性赤痢[私の治療]

No.5121 (2022年06月18日発行) P.45

関 雅文 (埼玉医科大学医学部国際医療センター感染症科・感染制御科教授)

登録日: 2022-06-18

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  • 赤痢菌による腸管感染症である。Shigella sonnei,Shigella flexneri,Shigella dysenteriae,Shigella boydiiの4菌種が知られている。患者や保菌者の便中赤痢菌に汚染された食物や水による経口感染が中心であり,途上国からの帰国者に発症する輸入感染症例が多い1)。潜伏期間は1~5日で発熱,腹痛,下痢が典型的な症状である。血便やテネスムス(しぶり腹)を伴うこともある。稀に溶血性尿毒症症候群(HUS)の合併,高度の脱水によって重症化することもある。

    ▶診断のポイント

    熱帯・亜熱帯地域への渡航歴を確認することが重要である。診断確定のために便の培養検査により赤痢菌を分離・同定することが必要であり,前述の症状や摂食歴などから積極的に本症を疑い,DHL寒天培地やMacConkey寒天培地などの分離培地を用いて菌を培養・同定する。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    治療の第一選択薬はニューキノロン系薬であり,重症度も考慮して3~5日は投与する。近年は,ニューキノロン系薬の耐性菌が報告されるようになり,耐性が疑われる場合にはアジスロマイシンが使用される。また,小児や他の抗菌薬にアレルギー歴がある場合はホスホマイシンが使用される2)

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