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ボーエン病[私の治療]

No.5098 (2022年01月08日発行) P.39

浅井 純 (京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学教室講師)

登録日: 2022-01-09

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  • 上皮内有棘細胞癌(squamous cell carcinoma in situ)のひとつである。高齢者に多く,露光部,非露光部を問わず全身の皮膚に出現する。紫外線,化学物質(砒素やタール類),ヒトパピローマウイルス,放射線照射,免疫抑制状態などが病因となる。ボーエン病のうち,約5%が浸潤癌へと進展し,そのうちの約10%が転移を生じ,死に至ると報告されている1)

    ▶診断のポイント

    臨床所見,ダーモスコピー所見より本疾患を疑い,確定診断には皮膚生検による病理組織検査を実施する。

    【臨床所見】

    鱗屑を伴う境界明瞭な紅斑局面を呈する。慢性単純性苔癬,貨幣状湿疹,尋常性乾癬といった炎症性皮膚疾患との鑑別を要する。

    【ダーモスコピー所見】

    表面の鱗屑や白色調の膜様物質の付着(surface scales),点状・線状の糸球体様血管(glomerular vessels),褐色あるいは灰色小点の線状配列(brown or gray dots arranged in a linear fashion),低色素性無構造帯(hypopigmented structureless zone)などがみられる2)。ただし,これらの所見はボーエン病以外の疾患でもみられることがあるため,ダーモスコピー検査でボーエン病を疑った際には病理組織検査を必ず行う。

    【病理組織所見】

    異型性のある角化細胞が表皮内および付属器上皮内に限局して不規則に増加する。表皮肥厚,不全角化を伴う過角化,異常角化細胞(dyskeratotic cells),多核細胞(clumping cells)といった所見がみられる。

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