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■NEWS 医療法人の事業報告書等の届出・閲覧事務のデジタル化を議論―社保審医療部会

No.5090 (2021年11月13日発行) P.70

登録日: 2021-11-05

最終更新日: 2021-11-05

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厚生労働省は112日の社会保障審議会医療部会に、医療法人の事業報告書等の届出事務と閲覧事務のデジタル化について具体案を提示した。事業報告書等をデジタル化して都道府県と医療法人の事務負担軽減を図ることに反対はなかったが、都道府県のホームページなどでのデータ閲覧を可能にする点には、医療関係者の委員が難色を示した。

医療法人は、毎会計年度終了後3カ月以内に事業報告書や財務諸表などを都道府県知事に届け出ることが義務付けられている。だが、現在は医療法人からの届出、閲覧の求めがあったときの都道府県窓口などでの閲覧手続きとも、紙媒体で行われており、医療法人・都道府県双方の負担となっているほか、届出のあった事業報告書等を都道府県が一覧的に把握できる仕組みがないことも課題となっていた。こうした現状を踏まえ、政府の改革工程表や骨太の方針などは、医療法人の事業報告書等についても社会福祉法人の場合と同様に、電子媒体のアップロードによる届出・公表を可能にする仕組みの検討を関係審議会に求めていた。

■届出事務のデジタル化は22年度、情報閲覧は23年度から―厚労省が提案

これを受けて厚労省が部会に示した対応案では、関係省令等を改正し、事業報告書等の届出事務のデジタル化は2022年度から、都道府県ホームページなどでの情報閲覧は23年度から開始することを提言した。事業報告書等については、214月~223月末を会計年度とする医療法人の事業報告書等(届出期限は226月末)から、「医療機関等情報支援システム(G-MIS)」への電子媒体のアップロードによる届出を開始。当面は紙媒体による届出も認め、紙媒体で届出されたものも国が委託する事業者が電子化した上で、都道府県にデータを提供する。こうして電子化した全医療法人の事業報告書等は、国に蓄積して全国規模のデータベースを構築し、国や都道府県による支援や指導に役立てる。

電子化された事業報告書等のデータを都道府県のホームページなどで閲覧する仕組みも整え、閲覧手続きに伴う都道府県の負担軽減も図る考えも示した。

■行きすぎた詮索や営業につながるリスクを危惧―情報閲覧で今村委員

部会では、都道府県のホームページなどを通じて不特定多数の人間が医療法人の経営情報を閲覧できるようになることに、医療関係者の委員が強い懸念を示した。今村 聡委員(日本医師会副会長)は、「個別の医療法人の経営情報に匿名でアクセスできるようになることで、行きすぎた詮索や営業につながる可能性がある」と危惧。「本人確認の手続きがあった上で、閲覧に供するべきではないか」と見直しを求めた。加納繁照委員(日本医療法人協会会長)は、公益性や税制上の優遇措置が異なる社会福祉法人と医療法人を一律に取扱うことに問題意識を表明。「社会福祉法人と一般の医療法人はまったく違う。イコールという形で開示されることには反対だ」と主張した。

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