株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

【一週一話】薬物乱用頭痛を防止するには

No.4704 (2014年06月21日発行) P.57

五十嵐久佳 (富士通クリニック頭痛外来)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-29

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 何カ月にもわたり,1カ月の半分以上頭痛がある患者では,薬物乱用頭痛(medication-overuse headache:MOH)の可能性を考える。MOHとは,片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛患者が,3カ月を超えて市販の頭痛薬や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)・トリプタンなどの治療薬を頻回(1カ月に10日以上または15日以上で,薬剤によって異なる)に服用することにより,頭痛が1カ月に15日以上となった状態を言う1)。MOHの診断には頭痛日数と薬剤使用状況の記録が必須となる。

    欧州での調査では一般人口当たりの有病率は1~2%,米国では頭痛外来や頭痛センターでの割合は50%以上と報告されている2)。筆者の担当する頭痛外来でも14.6%はMOH患者であった。そのうちの多くは片頭痛を有する患者であり,原因薬物で最も多いものは市販薬である。

    MOHは関節リウマチ患者が鎮痛薬を毎日服用しても起こらず,一次性頭痛患者で起こるため,何らかの素因があると考えられている。MOHに陥る危険因子としては頭痛日数が多い,うつや不安障害を伴う,などが挙げられるが,患者を分析するといくつかのパターンがある。片頭痛患者はひどい頭痛を経験しているため,頭痛に対する恐怖や不安を持っている。また頭痛早期に薬剤を服用しなければ効果が少ないことを体験しているため,少しでも頭痛の気配がすると服用する。特に仕事や家事を休むことができない場合には予防的に服用するようにもなる。市販薬の効果がない場合でも気休めに服用する患者もいる。

    残り669文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top