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八王子10daysルールとCOVID-19地域連携WEB会議とは?(新井隆男 東京医科大学八王子医療センター救命救急センター長)【この人に聞きたい】

No.5061 (2021年04月24日発行) P.6

新井隆男 (東京医科大学八王子医療センター救命救急センター長)

登録日: 2021-04-19

最終更新日: 2021-04-19

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COVID-19対策は地域包括ケアを実現するチャンス
医療、介護、教育のネットワークで正しい知識と課題を共有し
リスクを分け合うコンセンサス作りを進める



あらい たかお:2000年東京医科大卒。日本赤十字社医療センター外科臨床医、英国エジンバラ大学付属IALS留学、東京医科大学病院臨床研究医(救急医学教室)などを経て、09年より現職。同大准教授。専門は、集中治療管理など。

東京都八王子市は「10daysルール」によって、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による病床ひっ迫から地域医療を守る取り組みを進める。昨年、「COV ID-19対応地域連携WEB会議」を立ち上げ、地域連携に取り組む東京医科大学八王子医療センター救命救急センター長の新井隆男氏に、10daysルールと同会議について聞いた(4月13日に取材)。

COVID-19病床と救急医療体制を守る仕組みを構築

─八王子10daysルールとは、どのようなものですか。

COVID-19の発症から10日以上経ち、治療が終わって症状が落ち着いている患者さんはPCR検査をしなくても、COVID-19対応病院以外の病院や施設に受け入れてもらう仕組みです。COVID-19は発症から10日経つと感染性が大幅に低下するという科学的根拠に基づいています。

COVID-19対応地域連携WEB会議で推奨したところ、八王子市医師会病院部会、八王子市高齢者施設長会などがルールの受け入れを表明し、昨年12月から稼働しています。市の財政支援もこのルールの実現を後押ししました。

当センターなどCOVID-19対応病院が、症状が落ち着いた患者さんの転院先を確保できないまま、COVID-19の患者さんを受け入れ続ければ、他の疾患や外傷の集中治療も困難になります。10daysルールは、COVID-19以外の疾患や外傷で集中治療が必要な患者さんへの高度医療の提供体制を守る取り組みでもあるのです。

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