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「社会的処方」~医師会の取り組み事例─栃木県・宇都宮市医師会の場合[プライマリ・ケアの理論と実践(81)]

No.5038 (2020年11月14日発行) P.12

村井邦彦 (宇都宮市医師会在宅医療・社会支援部担当理事/村井クリニック院長)

登録日: 2020-11-12

最終更新日: 2020-11-11

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SUMMARY
宇都宮市医師会では「社会支援部」を設置し,医療機関での気づきを発端とする「社会的処方」,健康格差対策,教育との連携,士業との連携,市民啓発などを宇都宮市とともに推進している。活動の基本骨格はこれまで築いてきた地域包括ケアシステムである。

KEYWORD
健康の社会的決定要因(Social Determinants of Health:SDH)
住む場所や国籍,教育や収入,雇用形態など個人の社会的背景に加え,地域のつながりや,環境,制度,経済など,健康に影響する社会経済状況のこと。WHOは10の項目を示し,これらを科学的に根拠のある「solid facts(確かな事実)」と呼び,各国に健康格差対策を求めている。

村井邦彦(宇都宮市医師会在宅医療・社会支援部担当理事/村井クリニック院長)

PROFILE
平成7年東京医科歯科大学卒,麻酔科医として大学病院,都立病院に勤務,ペインクリニックを学ぶ。偶然に在宅医療を経験する。平成22年自治医科大学麻酔科にて医学博士号取得(東海大学整形外科学大学院研究生),平成23年実家の整形外科を継承し,在宅医療,ペインクリニック,内科を加えて地域の新たなかかりつけ医像を目指している。

POLICY・座右の銘
上医医国,中医医民,下医医病

宇都宮市医師会では,2019年7月に「社会支援部」を新設した。その背景には,マイケル・マーモット先生の世界医師会長就任演説,日本プライマリ・ケア連合学会の「健康格差に対する見解と行動指針」,(一財)オレンジクロスの日本版「社会的処方」のあり方検討事業,地域の勉強会(近藤克則千葉大学教授による「健康格差社会への処方箋」の講演会)等がある。

「社会支援部」のメンバーは,片山辰郎会長,遠藤秀樹(学校保健担当理事),関口真紀(栃木保健医療生協理事長),羽金和彦(宇都宮市保健所長),千嶋 巌(日本プライマリ・ケア連合学会SDH検討委員会協力委員),村井邦彦(在宅医療・社会支援部担当理事,宇都宮市地域包括ケア推進会議議長,地域包括支援センター連絡協議会議長)である。

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