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特集:新型コロナウイルス流行期に,診療所でできる感染対策

No.5034 (2020年10月17日発行) P.18

中山久仁子 (マイファミリー クリニック蒲郡院長)

登録日: 2020-10-16

最終更新日: 2020-10-14

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マイファミリークリニック蒲郡 理事長・院長。家庭医療学専門医・感染症専門医。淀川キリスト教病院・聖路加国際病院レジデント,東京大学医学部附属病院感染症内科,マラウィ共和国で内科勤務。東京大学大学院医学系研究科内科学専攻生体防御感染症学博士課程修了。ロンドン大学衛生熱帯医学部 熱帯医学国際保健学修士課程修了。国内で家庭医療研修を経て,2011年から現職http://www.jin-i.com/

1 新型コロナウイルスの特徴
疾患名:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
病原体名:SARSコロナウイルス2(SARS-CoV-2)
・主な感染経路は飛沫感染と接触感染,特殊な環境でエアロゾル感染がある。
・感染から発症まで5~7日,発症約2日前から1週間後まで感染性がある。
・8割が感冒様症状で自然治癒,2割が重症化し5%が重篤化する。高齢者や基礎疾患のある患者で重症化しやすい。軽症でも症状の遷延化がある。

2 感染対策の基本
・感染症は「感染症の3要素」(①感染源,②感染経路,③宿主の感受性)を抑えることで,予防することができる。
・COVID-19の感染経路は主に飛沫,接触感染であり,その感染経路に沿った対策が効果的である。
・標準予防策が基本である。標準予防策のうち,手指衛生と個人防護具が特に重要である。
・手指衛生は,手洗いまたはアルコール手指消毒。
・診療の内容によって標準予防策に必要な個人防護具を選択し追加する。

3 診療所でできる実際の感染対策と管理
・受診前に情報提供する。患者が受診しやすいように,あらかじめ疾患について,また受診の方法等を伝える。
・診療所内が密にならないように,受診日程を予約制にしたり,診療所へ事前連絡してもらうよう伝える。
・受診時,受付での対策として,診療所に入る人の健康確認や密にならない工夫をする。
・症状のある患者と他の疾患の患者との「動線」または「時間」を分ける。
・診察中は標準予防策を徹底する。予防策を徹底すると,COVID-19の患者であると後でわかった場合でも,濃厚接触者には当たらない。
・環境の消毒も大事である。一人ひとりの診察後に消毒をする。
・検査のための検体採取は採取方法によって感染対策が異なる。
・オンライン診療を活用。接触せず診療することが究極の感染対策になる。

4 受診時の患者への説明
自宅での家族内感染の予防策
・家族内感染が多いため,感冒症状があるときの自宅での過ごし方が,感染予防には重要なポイント。それらを受診患者や家族に丁寧に説明する。

5 診療所職員の体調管理と陽性者の職場復帰
職場での感染対策の実際,職員の体調管理
・医療機関はCOVID-19の患者への曝露の機会が多い。職員が感染しないための対策や感染した職員の対応を考える必要がある。
・受診患者にCOVID-19の陽性が出た場合の対応も知っておきたい。

6 インフルエンザシーズンを迎えるにあたって
これからの冬の時期は感冒症状の患者が増えるため,感冒症状の患者の診療を,感染対策を十全に取って行うことが求められる。一方で,ウイルスは目,鼻,口から体内に入ることがわかっており,感染経路を理解して対策を行うことで十分に感染を予防できる。

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