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進行性腎細胞癌治療における免疫チェックポイント阻害薬の発展

No.5023 (2020年08月01日発行) P.48

水野隆一  (慶應義塾大学泌尿器科准教授)

登録日: 2020-08-01

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 【既治療例ではニボルマブ単剤,未治療例ではイピリムマブとの併用療法の有用性を確認】

近年の基礎研究の発展により,がん細胞が免疫細胞を抑制してその攻撃を阻止していることが明らかとなった。そのブレーキを解除してがん細胞を攻撃する新たな治療法が開始され,免疫チェックポイント分子(PD-L1やPD-1,CTLA-4など)を阻害する薬(免疫チェックポイント阻害薬)が様々ながんに対する治療薬として使用されるようになってきている。

進行性腎細胞癌に対する抗PD-1抗体ニボルマブの有効性と安全性を検討したCheckMate-025試験において,既治療の進行または転移を有する腎細胞癌に対し,免疫チェックポイント阻害薬である抗PD-1抗体ニボルマブは,mTOR阻害薬エベロリムスよりも全生存期間を有意に延長することが明らかにされた1)。この試験結果に基づいて,ニボルマブは治療歴を有する転移性腎細胞癌に対する治療薬としてわが国を含む世界各国で承認されることとなった。また,同様にCheckMate-214試験において,抗CTLA-4抗体イピリムマブとニボルマブの併用療法は,未治療の転移性腎細胞癌において,試験開始時の標準治療であるスニチニブと比較して,有意な全生存期間の延長を示した2)。イピリムマブとニボルマブの併用療法は,スニチニブと比較してより高い奏効率も示しており,この試験結果に基づいてこの併用療法は米国やわが国でファーストライン治療として承認されている。

【文献】

1) Motzer RJ, et al:N Engl J Med. 2015;373(19): 1803-13.

2) Motzer RJ, et al:N Engl J Med. 2018;378(14): 1277-90.

【解説】

水野隆一 慶應義塾大学泌尿器科准教授

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