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糖尿病の食事療法①:基本的な考え方

No.5018 (2020年06月27日発行) P.49

曽根博仁 (新潟大学血液・内分泌・代謝内科教授)

登録日: 2020-06-28

最終更新日: 2020-06-23

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【新ガイドラインでは個別化を前提とした「目標体重」という用語に変更された】

日本糖尿病学会の診療ガイドライン(GL)は3年ごとに改訂されている。最新の2019年度版では,特に食事療法に関して大きな改訂が行われた。近年の糖尿病診療のキーワードは,個々の患者の病態や状況に応じた「個別化」であるが,食事療法についても柔軟に個別化する方向となっている。

まず体重についての考え方であるが,従来,最も死亡率が低いとされたBMI注)22kg/m2を「標準体重」とし,これに身体活動量を乗じ,一律にエネルギー摂取量を設定してきた。しかし,この標準体重という表現自体,BMI 22kg/m2があたかも理想または適正であるかのような画一感を想起させ,わが国の糖尿病患者の多様な病態や高齢化を含む実態から乖離していることから,新GLでは個別化を前提とした「目標体重」という用語に変更された。実際に,我々の2型糖尿病患者の全国研究の結果からも,BMI 18.5~25までの広い範囲で死亡率上昇はみられず,おそらくフレイルを反映したものと思われるが,BMI 18.5未満の患者で,むしろ有意な死亡率上昇がみられた1)

今回導入された「目標体重」は,診療経過に応じ段階的に変更可能な目安である。具体的な計算法については次稿で解説するが,治療開始時にエネルギー摂取量の目安を示した後,病態,年齢,体組成,コントロール状態の変化,患者の嗜好やアドヒアランスをふまえ,適宜変更していく。
注:BMI(kg/m2)=体重(kg)÷身長(m)2

【文献】

1)Tanaka S, et al:J Clin Endocrinol Metab. 2014; 99(12):E2692-6.

【解説】

曽根博仁 新潟大学血液・内分泌・代謝内科教授

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