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■NEWS 新設の「地域医療体制確保加算」、救急搬送実績は前年1〜12月が対象

No.5004 (2020年03月21日発行) P.71

登録日: 2020-03-10

最終更新日: 2020-03-10

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厚生労働省は35日に行った2020年度診療報酬改定についての動画配信で、医療従事者の働き方改革や、入院医療に関連した項目も取り上げた。働き方改革では、特に勤務医の働き方改革に重点的に対応したと説明。消費税財源(0.08%引き上げ分)を充当して新設する「地域医療体制確保加算」の年間救急搬送件数2000件以上の要件は、前年の112月の実績が対象になることを示した。

医師以外の医療従事者の働き方では、「看護職員夜間配置加算」の評価を10点ずつ引き上げるとともに、要件項目に、▶夜勤後の暦日の休日確保、▶夜勤帯のニーズに対応した柔軟な勤務体制の工夫、▶ICT、AI、IoTなどの活用による業務負担軽減―を新規追加することなどを通じ、夜間の看護業務負担軽減につながる業務管理をより柔軟に行える体制整備を促す。「感染防止対策加算」、「退院時共同指導料1、2」などで求められるカンファレンスや共同指導では、ビデオ通話をはじめとするICTの活用を一層促す観点から、現在は「止むを得ない場合」とされている実施要件を、「必要な場合」に緩和する。

看護必要度のC項目の評価対象に乳腺悪性腫瘍手術などを追加

入院医療では、「急性期一般入院基本料」における「重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)」の見直しについて説明。評価項目のうち、A項目(モニタリング及び処置等)では、「免疫抑制剤の管理」を注射剤に限定するとともに、救急患者の評価が充実されるよう、▶看護必要度Ⅰは救急搬送後の入院の評価を現在の2日から5日に延長、▶同Ⅱは、「救急医療管理加算」または「夜間休日救急搬送医学管理料」を算定した患者を新たに評価する―といった見直しを行う。C項目の評価対象となる手術と検査には、▶経皮的針生検法、▶EUSFNA、▶腹腔鏡、▶心カテ(右心・左心)、▶眼窩内異物除去術、▶甲状腺悪性腫瘍手術、▶乳腺悪性腫瘍手術―などを加える。

「地域包括ケア病棟入院料(医療管理料を含む)」は、入院料13の在宅医療の実績要件から「開放型病院共同指導料」の算定回数を削除する一方、▶「在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料」を直近3カ月で30回以上算定、▶「退院時共同指導料2」を直近3カ月で6回以上算定―の2項目を追加。全6項目とし、うち2項目以上を満たすことを求める。「回復期リハビリテーション病棟入院料」は、入院料1のリハビリテーション実績指数を40以上、入院料335以上にそれぞれ厳格化。施設基準では、常勤の専任管理栄養士の配置を入院料1では要件化、入院料26では努力義務化する。

「療養病棟入院基本料」は施設基準に、中心静脈カテーテルに関する院内感染対策のための指針策定と、中心静脈カテーテルによる感染症の発生状況の継続的把握を追加する。さらに医療区分3の評価項目の「中心静脈栄養を実施している状態」でも、毎月末に当該状態に該当しているかどうかを確認することを新たに要件として求める見直しを行う。

長期入院を対象にした区分を新設、「データ提出加算」

「データ提出加算」は、許可病床数200床未満の「回復期リハビリテーション病棟入院料56」と「療養病棟入院基本料」に要件化対象が拡大されたことに伴い、入院期間が90日を超えるごとに1回算定する「加算34」を新設。入院期間が長期に及ぶ「療養病棟入院基本料」などの算定病棟では、入院初日に既存の「加算12」を算定した後、入院日から起算して91日目、181日目などに「加算34」を算定する。

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