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【論点】食物アレルギーの完全除去症例に対する初回食物経口負荷試験(OFC)における総摂取量の設定

No.4988 (2019年11月30日発行) P.58

楠 隆 (滋賀県立小児保健医療センター小児科主任部長)

登録日: 2019-11-27

最終更新日: 2019-11-26

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Bを選びます。そもそも食物アレルギーと診断されて完全除去を行っている症例についてハイリスク例の定義はあいまいです。少なくとも初回の食物経口負荷試験(OFC)においては,「食物アレルギー診療ガイドライン2016」1)に定義された少量摂取の負荷にとどめてリスク評価をするのが安全であると考えます。

1 食物アレルギー診療におけるOFCの目的

食物経口負荷試験(oral food challenge:OFC)とは,アレルギーが確定しているもしくは疑われる食品を,単回または複数回に分割して摂取させ,誘発症状の有無を確認する検査である。ガイドラインではOFCの目的を,①食物アレルギーの確定診断,②安全摂取可能量の決定および耐性獲得の判断,の2つに分類している。小児期の食物アレルギーの3大原因である鶏卵,牛乳,小麦は年齢とともに耐性獲得していくことが多いので2),OFCの対象となるのは②の目的が多い。

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