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■NEWS 働き方改革のみの重点課題化で保険者の不満、再び─社保審医療保険部会

No.4988 (2019年11月30日発行) P.68

登録日: 2019-11-22

最終更新日: 2019-11-22

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社会保障審議会医療保険部会は1121日、2020年度診療報酬改定の基本方針の骨子案について議論した。骨子案は18日の医療部会に提出されたものと同じ内容。この日も4項目ある基本的視点のうち、「医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進」だけを重点項目として重みづけする方針に変更がないことを保険者が問題視。不満が噴出した。

骨子案は、▶改定に当たっての基本認識、▶改定の基本的視点と具体的方向性、▶将来を見据えた課題―の3部構成。改定の基本的視点では、「医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進」を重点課題とする姿勢を改めて明記した。

この点について、佐野雅宏委員(健康保険組合連合会副会長)は、「撤廃されていないのは残念だ。働き方改革の推進がそのまま人件費アップ、診療報酬での対応という単純な図式になることはやめてほしい。保険料などの負担者である国民が納得できる形にするべきだ」と主張。安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)も、「やはりこれだけを重点課題とすることに非常に違和感がある」と改めて不満を示した。

■後期高齢者医療の保険料賦課限度額を64万円へ引き上げ

また、同日の部会では、後期高齢者医療の保険料賦課限度額の見直しが了承された。20年度から現在の62万円を64万円に、2万円引き上げる。見直し後の限度額に達する収入は、年金の場合が910万円、給与の場合は921万円。所得でみた場合はいずれも709万円に相当する。中間所得層の保険料負担が過重にならないようにするための措置で、保険料負担の上限引き上げで高所得層の負担が増える半面、中間所得層の保険料上昇は一定程度抑制される。見直しにより、賦課限度額を超過する被保険者の保険料は3.2%増えるが、所得割がかかる平均的な年金収入(341万円)の被保険者の保険料の伸びは2.5%となり、「中間所得層の伸び率が高所得層の伸び率を若干下回る水準まで抑えられる」(厚労省)。

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