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メルケル細胞癌の新規治療戦略について

No.4984 (2019年11月02日発行) P.52

中野 創 (弘前大学大学院医学研究科皮膚科学講座准教授)

永瀬浩太郎 (佐賀大学医学部皮膚科講師)

登録日: 2019-11-05

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  • メルケル細胞癌の新規治療戦略についてご教示下さい。佐賀大学・永瀬浩太郎先生にお願いします。

    【質問者】

    中野 創 弘前大学大学院医学研究科皮膚科学講座准教授


    【回答】

    【根治切除不能例に対し免疫チェックポイント阻害薬アベルマブが承認された】

    メルケル細胞癌は悪性度の高い疾患であり,高率にリンパ節転移や遠隔転移をきたします。近年までわが国において転移性メルケル細胞癌に対し生命予後を改善させる化学療法は存在せず,さらに保険適用のある薬剤もないことから,その治療法は肺小細胞癌に準じて選択していたのが実情でした1)

    2016年にメルケル細胞癌に対する免疫チェックポイント阻害薬の有用性が報告され,翌2017年にはわが国においても抗programmed cell death 1 ligand 1(PD-L1)抗体であるアベルマブが保険適用となり,治療戦略は新たな局面を迎えています。このアベルマブは,一次治療で奏効率62.1%という良好な結果が報告され2),わが国における転移性メルケル細胞癌の第一選択薬となっています。

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