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ケトン性低血糖症疑いの小児への点滴治療内容は?

No.4978 (2019年09月21日発行) P.61

深尾敏幸 (岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学教授)

登録日: 2019-09-19

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ケトン性低血糖症疑いの小児に点滴治療を行う際,尿ケトン体陽性でありながら血糖は正常に戻っていた場合においても,ブドウ糖を負荷したほうがケトーシスを改善して吐き気が治まるのでしょうか。腎性糖尿のように糖は尿に出てしまうので,生食点滴のみのほうがよいのでしょうか。ご教示下さい。(鹿児島県 T)


【回答】

【生食ではなく,十分量のブドウ糖を負荷するのがよい】

ケトン性低血糖症では低血糖に至る飢餓状態や感染などのストレスがあることから,たとえ血糖が正常に戻っているようにみえても,異化状態は続いていると考えられ,糖分の補給がないと再び低血糖になる可能性が高いと思われます。ケトン性低血糖であれば十分にブドウ糖を入れて,同化方向に持って行くべきと考えます。十分なブドウ糖を輸液すれば,ケトン体産生は抑制され,ケトーシスは改善に向かいます。

ケトン性低血糖症やアセトン血性嘔吐症で吐き気は何に由来するかについてですが,アセト酢酸や3-ヒドロキシ酪酸の血中濃度が上昇すること自体が嘔気を引き起こすというエビデンスはほとんどありません。むしろこのケトーシスを起こすような状況(ストレス)が嘔吐中枢に働いて,嘔気を引き起こすと考えられています。

ケトン性低血糖症やアセトン血性嘔吐症では,循環不全を改善する目的で生理食塩液を用いることはあっても,生理食塩液では病態は改善しません。そのため,ブドウ糖の入った輸液を行う必要があります。

【参考】

▶ 五十嵐 隆, 編:小児科診療ガイドライン 最新の診療指針. 第4版. 総合診療社, 2019, p464-9.

【回答者】

深尾敏幸 岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学教授

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