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金属アレルギー[私の治療]

No.4976 (2019年09月07日発行) P.46

藤本和久 (日本医科大学皮膚科学准教授)

登録日: 2019-09-06

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  • 金属は日常生活のあらゆる所で用いられており,接触する機会が多い。原因となる金属は,ニッケル,コバルト,クロム,金が多く,パラジウムなどの歯科金属によることもある。水銀アレルギーは減少したが,近年チタンによる症例が散見される。
    病型は,接触皮膚炎などの局所症状として発症する場合と,掌蹠膿疱症,異汗性湿疹,痒疹,紅皮症などの全身型のアレルギーとして発症する場合とに大別される。

    Ⅰ.金属による接触アレルギー

    ▶診断のポイント

    【症状】

    ニッケルやコバルト,クロムは一般の金属製品に含有されていることがある1)2)。特にニッケルは,ネックレスのとめ金やジーンズのボタン,バックル,聴診器の耳管,ピアス,イヤリングなどのほか,セメントなどにも含まれており,難治性の職業性手湿疹をきたすことがある。また,クロムは革をなめすのに使用されるため,革アレルギーと誤認識されることが多い。
    金はピアスなど皮膚に埋め込まれた状態では汗により溶出し,接触皮膚炎の原因となる。逆に義歯や刺し歯に含まれる金が口内炎の原因と疑われることがあるが,義歯そのものの機械的接触による刺激症状のことが多い。

    〈アレルギー性接触皮膚炎〉

    金属装飾具などとの接触により,接触部位を中心にかゆみを伴う紅斑・丘疹・小水疱を生じる。発汗の多い夏期に好発する。

    〈自家感作性皮膚炎〉

    接触皮膚炎の症状が強い場合,接触皮膚炎に続発してかゆみを伴う紅斑・丘疹・小水疱が全身に出現することがある。

    【検査所見】

    パッチテストが簡便で信頼性が高い。パッチテスト試薬金属(鳥居薬品など)を滴下したパッチテスト用テープを肩甲部または上腕屈側に密封貼布し,48時間後に剝離して紅斑・丘疹・小水疱などの皮疹の有無を判定し,さらに貼布72時間後,1週間後にも判定する。

    金属イオンと血液中のリンパ球を反応させるリンパ球刺激試験は,検査の感度や費用などの点で普及に至っていない。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    治療の基本は原因金属と接触しないことに尽きる。再発予防のために治癒後にパッチテストを行って原因を検索する。

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