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保護者からの質問に自信を持って答える 小児食物アレルギーQ&A

【2016年日本アレルギー学会売上第1位】食物アレルギー診療のメッカ・相模原流最新エビデンスでもう答えに迷わない!

定価:4,950円
(本体4,500円+税)

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監修: 海老澤 元宏(国立病院機構相模原病院 臨床研究センター アレルギー性疾患研究部 部長)
編集: 佐藤 さくら(国立病院機構相模原病院 臨床研究センター病態総合研究部 病因・病態研究室 室長)
編集: 柳田 紀之(国立病院機構相模原病院 小児科 医長)
判型: B5判
頁数: 180頁
装丁: 2色刷
発行日: 2016年06月17日
ISBN: 978-4-7849-5196-3
版数: 第1版
付録: -

「離乳食の開始は遅らせたほうがよいでしょうか?」
「食物アレルギー児が予防接種を受けても大丈夫ですか?」
「園や学校で給食を提供してもらうときに気をつけることは?」
日常臨床の現場で食物アレルギー児の保護者から投げかけられる様々な質問に対して、具体的・簡潔に答える回答例と、最新の文献・ガイドライン等に基づく解説をまとめたQ&A集ができました!
食物アレルギーの概要、予防、診断、治療と管理、栄養指導、症状出現時の対応、園や学校での対応、専門機関との連携など、管理の難しい食物アレルギー児を一般の医療機関で診るためのノウハウが満載。
監修の海老澤先生をはじめ、執筆陣は食物アレルギー診療のメッカ・相模原病院のスタッフを中心に編成。
専門機関の最新エビデンスがこの1冊でスッキリわかります!"

目次

part 1 概要と予防
Q1 食物アレルギーとは何ですか?
Q2 食物アレルギーはどうして起こるのですか?
Q3 原因食物ではどんな食物が多いですか?
Q4 食物アレルギーにはどのような症状がありますか?
Q5 アナフィラキシーとは何ですか?
Q6 食物アレルギーは治りますか?
Q7 食物依存性運動誘発アナフィラキシーとは何ですか?
Q8 口腔アレルギー症候群とは何ですか?
Q9 アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは関係がありますか?
Q10 アトピー性皮膚炎はどのように管理したらよいのですか?
Q11 アトピー性皮膚炎は治りますか?
Q12 ステロイド軟膏の副作用は問題ないですか?
Q13 乳幼児期に食物アレルギーがあると気管支喘息を発症しやすいですか?
Q14 気管支喘息はどのように管理しますか?
Q15 食物アレルギーに喘息が合併したらどのような注意が必要ですか?
Q16 妊娠中に食物除去を行うと食物アレルギーになりにくいですか?
Q17 離乳食の開始は遅らせたほうがよいでしょうか?
Q18 卵を食べさせ始める時期を早くするまたは遅くすると卵アレルギーになりにくいですか?
Q19 乳児期早くから保湿剤を使用すると食物アレルギーになりにくいですか?
Q20 乳酸菌やビタミンD で食物アレルギーを予防できますか?

part 2 診断と管理・治療
Q21 食物アレルギーの診断はどのように進めますか?
Q22 特異的IgE 抗体検査や皮膚テストで食物アレルギーの診断は可能ですか?
Q23 特異的IgG抗体検査で食物アレルギーの診断はできますか?
Q24 特異的IgE 抗体価から症状誘発の可能性がわかりますか?
Q25 食物経口負荷試験は何のために行うのですか?
Q26 食物経口負荷試験はどうやって行うのですか?
Q27 食物経口負荷試験はいつ受けたらいいですか?
Q28 食物経口負荷試験をするにはどの病院にかかったらよいでしょうか?
Q29 かかりつけの先生から専門の先生に紹介してもらうタイミングは?
Q30 食物アレルギーの管理の基本は?
Q31 必要最小限の除去とは何ですか?
Q32 除去解除の判断はどのように行うのですか?
Q33 授乳中の場合,母親の食物除去は必要ですか?
Q34 経口免疫療法とはどのような治療ですか?
Q35 食物依存性運動誘発アナフィラキシーでは運動を禁止しなければいけませんか?
Q36 口腔アレルギー症候群ではすべての果物を除去しなければいけませんか?
Q37 食物アレルギー児が予防接種を受けても大丈夫ですか?
Q38 食物アレルギーを治す薬はありますか?
Q39 外食や海外旅行に行く際に注意すべきことは何ですか?
Q40 食物アレルギー児が飲むとアレルギーを起こす薬はありますか?

part 3 患者への栄養・食事指導
Q41 アレルギーの原因の食物は完全に除去したほうがよいのでしょうか?
Q42 食物除去を行うと成長発育に影響がありませんか?
Q43 食品のアレルギー表示の決まりや用語について教えてください。
Q44 食物アレルギー児では離乳食の開始や進行は遅らせたほうがよいでしょうか?
Q45 醤油や味噌,油などの調味料は使用することができますか?
Q46 原因食物は加熱をするとアレルゲン性が弱くなるのでしょうか?
Q47 家族と同じ油や煮汁などで調理してもよいでしょうか?
Q48 調理器具や食器は家族と別のものを使用しなければいけないでしょうか?
Q49 具体的な除去食のメニューを教えてください。

part 4 症状出現時の対応
Q50 症状の重症度について教えてください。
Q51 症状が出たときの対応について教えてください。
Q52 症状が出たときに使用する薬はあらかじめ処方してもらうとよいですか?
Q53 アドレナリン自己注射薬(エピペン®)は必要ですか?

part 5 園や学校での対応
Q54 入園や入学が決まったら,まずどのようにすればよいでしょうか?
Q55 園や学校で給食を提供してもらえるのでしょうか?
Q56 園や学校で給食を提供してもらうときに気をつけることは?
Q57 アナフィラキシーを起こしたことがある場合には,給食提供は行わないほうがよいですか?
Q58 園や学校で症状出現時にはどのような対応をお願いすればよいでしょうか?
Q59 園や学校の職員はエピペン® を使用できるのですか?
Q60 林間学校や修学旅行に参加する際に注意すべきことは何ですか?

column
アレルゲンについて
原因食物別の注意点①:鶏卵
原因食物別の注意点②:牛乳
食物アレルギーは遺伝する?
原因食物別の注意点③:小麦
原因食物別の注意点④:大豆
原因食物別の注意点⑤:ピーナッツ・ナッツ類
原因食物別の注意点⑥:甲殻類
原因食物別の注意点⑦:ソバ
原因食物別の注意点⑧:魚
原因食物別の注意点⑨:果物
学校生活管理指導表の記載方法

巻末資料
鶏卵,牛乳,小麦除去の場合の3日間の献立例

さくいん

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序文

小児アレルギー疾患は,感染症,予防接種,健診と並んで小児科の一般診療の重要な領域を占めます。その中でも薬物療法による管理が進んだ気管支喘息に比べ,食物アレルギーは一般医の先生方にとって悩ましい厄介な疾患と思われます。

この10 年間で食物アレルギーに関するガイドライン等の整備も進みましたが,診断・管理等に関して診療所だけで完結することは不可能に近いと思います。一般医の先生方が診察室において食物アレルギーに関して専門医療機関との連携を上手く進めるためのノウハウ,患者さんから尋ねられる疑問にスムーズに答えられる想定Q&A などをまとめた書籍は今まで存在していませんでした。

このたび日本医事新報社からそのような主旨での書籍の企画を提案され,『保護者からの相談に自信を持って答える 小児食物アレルギーQ&A』という一つの企画として結実いたしました。

日常臨床の現場で,食物アレルギー児の保護者からは様々な質問が投げかけられますが,本書はそれに具体的に答える形でのQ&A 方式でまとめています。食物アレルギーの概要,合併症,予防,診断,治療と管理,栄養指導,症状出現時の対応,園や学校での対応,病診連携などからQ(質問)を起こし,A(回答)を簡潔に記載し,その解説という構成になっています。

編集者には相模原病院で長く一緒に仕事をしてきた佐藤さくら(病因・病態研究室)室長,柳田紀之(小児科)医長になっていただき,中心になって項立て,企画を担当してくれました。また,執筆に関しては国立病院機構相模原病院のスタッフ・OB を中心にお願いしています。

食物アレルギーの診療が専門施設だけではまかないきれない現状を解決するために,本書は大変に役に立つものと期待されます。

この本が多くの先生方の外来診療,最新知識の整理に役立つことを祈念しております。

2016 年5月
国立病院機構相模原病院臨床研究センター
アレルギー性疾患研究部長
海老澤 元宏

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レビュー

【書評】アレルギー診療の初心者のみならず、専門医にも十分読み応えのある1冊

西間 三馨(国立病院機構福岡病院名誉院長、日本アレルギー学会・日本小児アレルギー学会 元理事長)
アレルギー疾患の主なものは気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻・結膜炎(花粉症)、食物アレルギーなどであるが、その中でも近年の食物アレルギー、花粉症患者の増加は著しい。特に食物アレルギーは、その病因や病態が複雑で不明なことも多く、確定診断は経口負荷試験であり、測定できるバイオマーカーは補助的なものでしかない。過去には「アレルギー疾患の予防・治療の基本はアレルゲンの除去・回避である」との考えから、妊娠・授乳中をも含む徹底した除去食療法が行われていた。しかし、食物アレルギーの軽快・寛解においてはむしろマイナスとなる点が多いことが判明し、現在ではいかに経口免疫寛容へ導いていくか、さらには経皮感作予防の観点による早期からのスキンケアが注目されている。また、口腔アレルギー症候群、食物依存性運動誘発アナフィラキシー、ラテックスアレルギー、アナフィラキシーショックなどの多発も耳目を集めている。

このように、食物アレルギーに対する考え方や対処法が大きく変化する中で、医療者側の混乱も多々みられる。当然、患者側、特に食物を提供する保護者が正確な情報にたどりつくのは難しく、いわゆる・アトピービジネス″またはその類いのものに翻弄されているのが現状である。

本書はそのような背景のもと、わが国におけるアレルギー治療・研究の第一人者である海老澤元宏氏と、彼の所属する国立病院機構相模原病院が総力を挙げた著書であり、まことに時宣を得たものである。Q&A形式で構成されており、保護者から多く出る、返答に躊躇するような質問にも踏み込んだ解答をし、ハイレベルな解説をつけている。アレルギー診療の初心者のみならず、専門医にも十分読み応えがあり、手元に索引がわりとしても置ける完成度の高い書籍である。

(日本医事新報No.4814 2016年7月30日号掲載)

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臨床の疑問がかなり解決、アレルギーを少し診ているような一般小児科医にはとても役に立つ

Amazonカスタマーレビュー
国立相模原のエッセンスが詰まった、医師向けの食物アレルギー診療の手引きです。
記載されていることは臨床上疑問に思うことばかり、明瞭な回答が明確なエビデンスとともに記載されています。
経口負荷試験についてはとても有用で、いつまでに行うのが良いか、実際の方法などあまり具体的なことが書いてある本は他になく、ちょっと自信がないままにガイドラインに沿って負荷試験を行っているような医師、つまり私には大変参考になりました。
ちょうどタイミングよく日本アレルギー学会会場で売っていたので購入しました。学会に間に合わせようと思ったのか誤記載がありますが正誤表もついています。
食物アレルギーの診療を実践するうえでかなり役に立ちそうです。

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正誤情報

下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。

・ 115ページ 表1 注意しなければならない医薬品 医療用医薬品:「禁忌」と明記されている薬剤の項

〈誤〉「牛乳→乳酸菌の項の「ラックビー」」→〈正〉「下記参照」

※こちらの正誤情報は3刷以降では修正されております

本書に以下の誤解を招く恐れのある表現がございましたので、ここに訂正させていただきますとともに、深くお詫び申し上げます。

・115ページ 表1 注意しなければならない医薬品
医療用医薬品:「禁忌」と明記されている薬剤の項

牛乳・乳酸菌の部分に記載のある「ラックビー」は、すべての製剤について牛乳アレルギーが「禁忌」とされているのではなく、一部製品のみが耐性乳酸菌製剤であり、牛乳アレルギー患者への投与が「禁忌」となります

同剤の薬効分類・禁忌は以下の通りです。
・ラックビー微粒N:ビフィズス菌製剤 禁忌:なし
・ラックビー錠:ビフィズス菌製剤 禁忌:なし
・ラックビーR散:耐性乳酸菌製剤 禁忌:(1)本剤に過敏症の既往歴のある患者、(2)牛乳に対してアレルギーのある患者

また、同列に記載の薬剤の含有成分はすべて「耐性乳酸菌」となります。

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・ 41ページ 表1 乳糖を含む喘息の吸入薬・注射薬

〈誤〉「ソル・コーテフ静注用40mg」→〈正〉「「ソル・コーテフ静注用」に40mg製剤はございません」

※こちらの正誤情報は2刷以降では修正されております


・41ページ 表1 乳糖を含む喘息の吸入薬・注射薬

※上記の通り、表中に記載の薬剤「ソル・コーテフ静注用」40mg製剤はございません。


乳糖を含む製剤
ソル・コーテフ静注用40mg,ソル・メドロール静注用40mg
※静注用ソル・コーテフ,ソル・メドロールの40mg製剤には乳糖が・・・


乳糖を含む製剤
ソル・メドロール静注用40mg
※静注用ソル・メドロールの40mg製剤には乳糖が・・・

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・ 107ページ 「牛乳由来成分」の項目(4~6行目)

〈誤〉「麻疹・風疹混合,日本脳炎,おたふく,水痘,ロタ,Hibなど多くのワクチンで安定剤としての乳糖が含まれている。また,4 種混合,麻疹・風疹混合,肺炎球菌,ロタなど製造過程で牛乳由来成分が使用されるワクチンも少なくない。 」→〈正〉「麻疹・風疹混合,日本脳炎,おたふくなどのワクチンで安定剤としての乳糖が含まれている。また,4 種混合,麻疹・風疹混合,肺炎球菌,水痘,Hib,ロタなど製造過程で牛乳由来成分が使用されるワクチンも少なくない。 」


※こちらの正誤情報は2刷以降では修正されております


・107ページ 「牛乳由来成分」の項目(4~6行目)

上記に記載の通り、水痘,Hib,ロタ(ワクチン)に含まれる乳糖/乳由来成分は、安定剤としてではなく製造過程の混入が適切な説明です。


麻疹・風疹混合,日本脳炎,おたふく,水痘,ロタ,Hibなど多くのワクチンで安定剤としての乳糖が含まれている。また,4 種混合,麻疹・風疹混合,肺炎球菌,ロタなど製造過程で牛乳由来成分が使用されるワクチンも少なくない。 


麻疹・風疹混合,日本脳炎,おたふくなどのワクチンで安定剤としての乳糖が含まれている。また,4 種混合,麻疹・風疹混合,肺炎球菌,水痘,Hib,ロタなど製造過程で牛乳由来成分が使用されるワクチンも少なくない。  

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