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金属アレルギー[私の治療]

No.5185 (2023年09月09日発行) P.45

沖山奈緒子 (東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野教授)

登録日: 2023-09-09

最終更新日: 2023-09-05

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  • アレルギー性接触皮膚炎のひとつで,時に全身性接触皮膚炎を起こす。接触部位に皮疹が生じるとは限らないので,原因として見落とされやすい。

    ▶診断のポイント

    金属を含む装飾品などに接触する部位に湿疹を起こす金属接触アレルギーと,全身型金属アレルギーである異汗性湿疹,扁平苔癬,貨幣状湿疹や痒疹,偽アトピー性皮膚炎などの病型がある。アレルゲン同定はパッチテストで行う。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    金属接触アレルギーは接触部位の湿疹である。アレルゲンとして多いのは,装飾品に広く使われるニッケルだが,職業性接触皮膚炎では,皮革や塗料のニッケル,クロム,コバルトが挙げられる。パッチテストで診断する。

    全身型金属アレルギーでは,豆類や香辛料,貝類などに多く含まれるニッケル,クロム,コバルトといった食餌性のものと,パラジウム,金,水銀,スズ,時にニッケル,クロム,コバルトを含む歯科金属がある。金属は経腸管や経粘膜で吸収され,汗などに排泄されるため,皮疹は汗をかく部位に出現する。病態としては接触皮膚炎であるため,異汗性湿疹,貨幣状湿疹,偽アトピー性皮膚炎といった湿疹病変として現れることが多く,慢性化して痒疹となる。異汗性湿疹は,手指側面や指腹,手掌中央に点状水疱で始まる。貨幣状湿疹は漿液性丘疹が集簇した局面が散在する。偽アトピー性皮膚炎は内因性アトピー性皮膚炎とも呼ばれ,女性に多い。血清IgEがほぼ正常で,表皮バリア障害はないが,金属アレルギーが原因のひとつとなってアトピー性皮膚炎様の症状となる。ほかに扁平苔癬があり,口腔のレース状白斑と,瘙痒の強い紫紅色角化性小紅斑を呈し,病理組織学的には苔癬反応を呈する。

    掌蹠膿疱症も病型だが,異汗性湿疹と誤診しやすく,皮膚生検での確定診断が必須である。掌蹠膿疱症も異汗性湿疹も表皮内汗管を主座とし,掌蹠膿疱症も初期病変は水疱である。病理組織像は,異汗性湿疹では角化細胞がみられるのに対して,掌蹠膿疱症の水疱期では表皮内水疱の中にリンパ球の浸潤がある。膿疱期では好中球性膿疱周囲に微小膿疱をみるのが掌蹠膿疱症で,海綿状態であるのが異汗性湿疹である。

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