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ウイルス性疣贅(尋常性疣贅など)[私の治療]

No.4973 (2019年08月17日発行) P.50

野村尚史 (京都大学大学院医学研究科皮膚科学特定准教授)

登録日: 2019-08-15

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  • ヒト乳頭腫ウイルス(human papilloma virus:HPV)が表皮角化細胞や粘膜上皮細胞に感染して生じる良性腫瘍をウイルス性疣贅と言う。基本的な臨床像は,角化性の皮膚結節である。HPVの型により,尋常性疣贅,ミルメシア,扁平疣贅,尖圭コンジローマなど,多彩な形態をとる。日本皮膚科学会により「疣贅治療ガイドライン」が作成される予定である。

    ▶診断のポイント

    大きさ数mm~1cmの角化性丘疹を呈する。多くは視診やダーモスコピーで診断できる。悪性腫瘍との鑑別が困難な場合もあるので,難治性の場合は皮膚科専門医に紹介する。

    【尋常性疣贅】

    手足に好発する。疣状に隆起する大きさ数mm~1cmの丘疹,小結節,局面を形成する。しばしば多発し,足底に生じると,時に敷石状,モザイク状になる。顔面や頸部に生じると,外方性に細長く増殖し,糸状疣贅となる。点状出血を伴うことが多く,鶏眼や胼胝腫との鑑別点ともなる。HPV-2/27/57の感染による。

    【ミルメシア】

    小児の掌蹠に生じることが多い。HPV-1の感染による。中心が噴火口状に陥凹したドーム状丘疹となる。発疹全体が皮膚に埋没する。

    【扁平疣贅(青年性扁平疣贅)】

    淡褐色の扁平丘疹が,顔面,四肢,手背に多発する。搔破により自家接種され,線状に配列する〔ケブネル(Köbner)現象〕。HPV-3/10/28の感染による。免疫反応により,しばしば自然消退する。成人重症例では,免疫抑制状態の存在を疑い,基礎疾患を検索する。

    【尖圭コンジローマ】

    外陰部に生じる。HPV-6/11の感染による。非典型的な臨床像を示すこともあり,時に生検が必要である。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    自然消退しうるので,瘢痕を残す治療は避ける。病型や発症部位を考慮して治療方針を立てる。治療は,疣贅を物理的に除去する方法と,HPVに対する免疫反応を惹起する方法にわけられる。治療に反応しない場合は,3カ月をめどに方法を変更する。

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