血糖管理,レニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬を中心とした血圧管理,脂質管理,生活習慣指導(食事療法,運動療法,禁煙,体重管理)が糖尿病性腎臓病(DKD)における管理・治療法である
近年,糖尿病治療薬であるsodium glucose co-transporter(SGLT)2阻害薬やグルカゴン様ペプチド(GLP)-1受容体作動薬の腎保護作用のエビデンスが蓄積されてきており,さらにbardoxolone methylはDKD治療の新薬として期待されている
アルブミン尿は糖尿病性腎臓病(diabetic kidney disease:DKD)の早期診断に有用である。さらにアルブミン尿の存在はその後の腎イベント,心血管イベント,総死亡リスクの増加との関連が示されており,予後予測にも有用である。経過観察のため3~6カ月ごとに尿アルブミンを測定することが望ましい。ただし,レニン-アンジオテンシン系(renin-angiotensin system:RAS)阻害薬の使用や糖尿病治療の進歩に伴い病像が変化してきており,アルブミン尿を呈さずに糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)が低下する非典型例が相当数存在することが報告されており,尿アルブミンだけでなくGFRの推移も確認する必要がある。