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本庶佑先生のノーベル賞受賞を祝う[炉辺閑話]

No.4941 (2019年01月05日発行) P.30

鶴田憲一 (全国衛生部長会会長(静岡県理事))

登録日: 2019-01-02

最終更新日: 2018-12-25

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本庶佑先生は「ふじのくに地域医療支援センター」理事長でもあり、私は副理事長としてご指導を頂いている。メールや電話で連絡することも多い。

ノーベル生理学・医学賞が発表される2日前にトムソン・ロイター引用栄誉賞受賞の記事が目に留まった。大学野球部後輩の松村保広国立がん研究センター先端医療開発センター・新薬開発分野長も受賞名簿にあり、この受賞者から多くのノーベル賞受賞者が出ている。今月、受賞されたのかと思い、「受賞、おめでとうございます。今週からの発表が楽しみになりましたね」とお祝いのメールをしたら、「これは2016年のものです」と返ってきた。数年前には、PD-1の詳細が理解できなかったのでメールをしたら、“nejm”の論文を紹介された。“The New England Journal of Medicine(NEJM)”は知っていたが、“nejm”は知らなかった。これまでもいくつかのミスがあったが、翌日、ノーベル生理学・医学賞の発表があり、先の失礼なメールが正夢になり、大変喜んでいる。

数年前、センター理事会後、他の理事とともに一緒に居酒屋での懇親会にお付き合い頂いたことがある。焼き鳥の中に「ボンジリ」があり、初めて食べられたようで、「これは何か」と聞かれ、免疫に関係ある部位だと聞いています、と詳細は述べなかった。このような場所でも気さくに付き合って頂き、皆、感謝していた。この時の記念写真は今となっては大変貴重なのだが、どこに?
「不思議に思い、教科書を信じない。本当はどうなっているのか?自分でものを見る、好奇心が大事。若い研究者が増加することを期待したい」とコメントされている。

夏期セミナーでも、医学生に現在の医療を俯瞰した大局的視点での講演をして頂いている。本庶先生から「あのメールは何なんだと、2回も聞かれた。同じことを2回聞かれるのはものすごく怖い」と言われる院長もいるが、それは本質を見抜く先生の眼力の賜物だろう。今後とも健康に留意され、わが国のみならず、人類の幸福のために頑張って欲しいと願っている。

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