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低用量エストロゲンプロゲスチン(LEP)は乳癌発症リスクを増加させない?

No.4927 (2018年09月29日発行) P.54

楢原久司 (大分大学産科婦人科教授)

平川東望子 (大分大学産科婦人科)

登録日: 2018-09-29

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【わが国で現在保険適用のLEPは増加させない可能性が高い】

低用量エストロゲンプロゲスチン(LEP)は,経口避妊薬(OC)の普及とともに月経困難症・子宮内膜症などの保険治療薬として,わが国でも広く用いられつつある。OC/LEPと乳癌のリスクは,日本産科婦人科学会や日本乳癌学会のガイドラインで「OC/LEPの服用はわずかながら乳癌発症リスクを増加させる可能性があるが,含有されるエストロゲンの量など製剤の種類などを考慮すればリスクが増加しない可能性もある」とされている。

前向きコホート研究のメタアナリシス(2012年)の結果では,相対危険度(RR)は1.08(95%CI;0.99~1.17)と有意な増加は認められていない1)

一方,新たな大規模前向きコホート研究2)によると,OC全製剤の集計では乳癌発症リスクの有意な増加(RR:1.20)を認め,10年以上の使用ではRR 1.38とさらに増加を認めた。しかし,この報告で注意すべき点は,プロゲスチンの種類によってRRが異なる点である。すなわち,わが国で主にLEPとして使用されているノルエチステロンやドロスピレノン含有製剤では乳癌発症の有意な増加を認めず,10年以上の使用でも有意な増加を認めていない2)

乳癌検診の必要性は言うまでもないが,わが国で現在保険適用のLEPは乳癌発症リスクを増加させない可能性が高いと考えられる。

【文献】

1) Zhu H, et al:Eur J Contracept Reprod Health Care. 2012;17(6):402-14.

2) Mørch LS, et al:N Engl J Med. 2017;377(23): 2228-39.

【解説】

楢原久司,平川東望子 大分大学産科婦人科 *教授

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