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23価・13価肺炎球菌ワクチンの接種間隔は?

No.4925 (2018年09月15日発行) P.62

石田 直 (倉敷中央病院呼吸器内科主任部長)

登録日: 2018-09-17

最終更新日: 2020-10-09

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肺炎球菌ワクチンである肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン(ニューモバックスNP®,PPSV 23)と肺炎球菌結合型ワクチン(プレベナー13®,PCV13)との接種間隔は1年と聞きましたが,正確に守らなければならないでしょうか。PPSV23を2013年9月10日に,PCV13を2018年1月25日に接種した場合,PPSV23の再接種を2018年9月に行ってもよいですか。あるいは,2019年1月まで待つべきでしょうか。倉敷中央病院・石田 直先生にご解説頂ければ幸いです。

(静岡県 M)


【回答】

【PPSV23-PCV13は1年以上,PCV13-PPSV 23は6カ月~4年】

PPSV23とPCV13を併用する場合,その間隔は,欧米での臨床治験の結果1)をもとに,安全性を考慮して決められています。日本呼吸器学会と日本感染症学会の合同委員会は,米国CDCの勧告を参考として,図1 1)のような推奨を行っています。

これによると65歳以上においては,PPSV23を先に接種してPCV13を打つ場合は1年以上の間隔を,PCV13を先に接種してPPSV23を打つ場合は6カ月から4年以内としています(図1)。

一方,米国CDCの米国予防接種諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices:ACIP)はその後,両者の接種の順番により混乱が生じることより,65歳以上に対して両者の間隔はともに1年以上と改訂しましたが2),わが国は上記の方針のままとなっています。

この間隔はあくまでも目安であり,厳密に守らなければならないものではありません。ご質問の場合は,PCV13を接種して6カ月以上経過していますので,PPSV23を接種しても問題はないものと思われます。

【文献】

1)日本呼吸器学会呼吸器ワクチン検討WG委員会/日本感染症学会ワクチン委員会・合同委員会:65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種の考え方(アップデート版 2015).
[https://www.jrs.or.jp/modu les/information/index.php?content_id=864]

2) Kobayashi M, et al:MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2015;64(34):944-7.

【回答者】

石田 直 倉敷中央病院呼吸器内科主任部長

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