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水痘(みずぼうそう)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-29
鹿間芳明 (神奈川県立こども医療センター感染免疫科)
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  • ■疾患メモ

    水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)の初感染により生じる。

    通常は軽症で終わるが,年長児,成人,細胞性免疫不全を有する者では重症化のリスクがある。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    VZVの初感染後約2週間の潜伏期間を経て,発熱とともにかゆみを伴う全身の発疹が出現する。発疹は体幹や頭皮に多く,四肢には少ない。丘疹,水疱,膿疱,痂皮と移行し,新旧の発疹が混在することが特徴である。

    健常児が罹患する場合のほとんどは軽症であるが,乳児や思春期以降に罹患すると,より重症化する傾向にある。また,ステロイドなど免疫抑制薬投与中の患者や先天性免疫不全症患者が罹患すると,より重症化のリスクが高く,致死的な経過をたどることもある。

    【検査所見】

    一般的な血算・生化学検査で特徴的な所見はない。

    現在,水痘の病原体検査で保険収載されているのは蛍光抗体法によるウイルス抗原検出,および特異抗体検査である。

    ウイルス特異抗原検出は,水疱基底部を綿棒で拭い,スライドグラスに塗抹した標本を提出する。

    特異抗体の測定法には様々な方法があるが,FA(fluorescent antibody)法,IAHA(immune adherence hemagglutination)法,EIA(enzyme immunoassay)法が主に用いられる。FA法とIAHA法は急性期と回復期の検体で,4倍以上の変化があれば有意と判断される。EIA法では特異IgG抗体・特異IgM抗体を測定することができ,特異IgM抗体は初感染時,帯状疱疹発症時のいずれでも陽性となる。

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