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青あざ(太田母斑)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
山田秀和 (近畿大学医学部奈良病院皮膚科教授)
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  • ■疾患メモ

    主に顔面片側にみられる青灰色斑の太田母斑と,臀部を中心に多様な部位に認められる異所性蒙古斑がある。真皮のメラノサイト増殖の分布による。

    太田母斑では,早発型と思春期以降の遅発型があり,有色人種・女性に多い。日本の頻度は0.1%程度とされる。自然消退は少ないと考えられる。

    異所性蒙古斑は主として臀部に多いが,成人までにほぼ(97%)消失する。臀部以外の色素斑では,主に肩が見た目として治療対象になりうる。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    太田母斑は,三叉神経第1枝・第2枝支配領域に片側性に青色・褐色青色斑として認められる。同側の眼球強膜や粘膜に色素斑が出ていることが多い。稀に第3枝に出る場合もあり,対側に出る場合もある。首,肩に出現する場合もあり,異所性蒙古斑との異同は不明である。

    太田母斑の発症は出生時直後から認められることが多い早発型と,思春期以降に眼周囲の両側に顕在化してくる遅発型がある。遅発型では両側性遅発性太田母斑(acquired dermal melanosis:ADM)が知られている。

    異所性蒙古斑は,色素血管性母斑症type2で赤アザ;毛細血管奇形(ポートワイン血管腫)と合併している場合も多い。

    【検査所見】

    太田母斑の早発型は比較的診断が容易で見た目で診断できる。遅発型では,眼周囲に両側性に日光黒子様の2~3mm程度の斑の局面として認める場合,肝斑や日光黒子との鑑別に苦慮する場合がある。太田母斑では,眼球強膜所見があれば確実である。

    異所性蒙古斑は,仙骨部以外に直径10cm以上の大きさの青灰色斑や褐青色斑として認める場合がある。

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