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1型糖尿病

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-19
島田 朗 (埼玉医科大学内分泌糖尿病内科教授)
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  • ■疾患メモ

    1型糖尿病の大部分は,膵β細胞を標的とする自己免疫(T細胞機能の異常)により,(膵β細胞が)破壊されて発症する糖尿病である。

    その破壊の速さにより,劇症,急性発症,緩徐進行,の3つの亜型に分類される(表1~3)。

    10_27_1型糖尿病

    10_27_1型糖尿病

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    劇症1型糖尿病の診断は,糖尿病症状出現後,約1週間前後以内で糖尿病ケトアシドーシスを発症するもHbA1cはほぼ正常であり,内因性インスリン分泌能としてのC-ペプチドが著しく低下していることからなされる(表1)。

    劇症1型糖尿病では,約70%に先行感染を疑わせる症状があり,当初,「風邪」と誤診される場合がある。「風邪」と誤診して帰宅させた例で,死亡例が少なからずあり,訴訟に至るケースもあるので,見落としには十分注意する。

    膵島関連自己抗体〔グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)抗体,チロシンホスファターゼ(ⅠA-2)抗体,インスリン自己抗体,亜鉛輸送担体8(ZnT8)抗体〕が陽性の急性発症1型糖尿病(type 1A)の診断は,糖尿病の発症から約3カ月以内で糖尿病ケトーシスもしくはケトアシドーシスとなり,インスリンが発症当初から継続して必要である場合になされる(表2)。

    膵島関連自己抗体陰性の急性発症1型糖尿病(type 1B)の診断は,上記と同様の病歴とインスリン依存状態の存在(空腹時C-ペプチド値<0.6ng/mL)からなされる。

    緩徐進行1型糖尿病の診断は,膵島関連自己抗体(日常臨床ではGAD抗体)が陽性であり,通常,糖尿病ケトーシスあるいはケトアシドーシスの状態ではなく,糖尿病の発症から3カ月以上でインスリンが必要になる場合である(表3)。

    【検査所見】

    緩徐進行1型糖尿病では,GAD抗体の力価が,2015年現在のコスミック社のキット(RIA法:正常値1.3U/mL未満)で,10単位/mL以上の場合は,糖尿病発症後数年以内にインスリンが必要になることが多いが,1.5~9.9単位/mLの場合は,糖尿病発症後10年以上経ってもインスリンが必要にならない例もある。2016年よりGAD抗体測定はELISA法となり,評価には注意が必要である。

    緩徐進行1型糖尿病でGAD抗体の力価が,1.5~9.9単位/mLの場合であっても,発症年齢が比較的若い場合(45歳以下)やほかの自己抗体〔ⅠA-2抗体,インスリン自己抗体,ZnT8抗体や抗甲状腺ペルオキシダーゼ(thyroid peroxidase:TPO)抗体など〕が陽性である場合は,インスリン依存に進行しやすいことが指摘されている。

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