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腸リンパ管拡張症(蛋白漏出性胃腸症)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-13
穂苅量太 (防衛医科大学校消化器内科教授)
三浦総一郎 (防衛医科大学校名誉教授)
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  • ■疾患メモ

    血中蛋白が消化管の管腔内に漏出する結果として低蛋白血症を呈する。

    主たる症状は浮腫の,稀な疾患である。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    浮腫が主症状である。顔面や下肢の浮腫が唯一の症状である場合が少なくない。時に,下痢や腹部膨満を生じ,重症になると脂肪便やCa不足,低カリウム血症が生じたり,胸腹水が貯留することもある。幼児期や小児では成長障害を合併することが多く,管理上問題となることが多い。

    【検査所見】

    血液検査:腎糸球体疾患では,失われる蛋白質は分子量や電荷によって選択されるが,消化管からの喪失は選択性が低い。したがって,多種多様の蛋白質が血中で低下する。アルブミン,γグロブリン,コレステロール,フィブリノーゲン,トランスフェリン,セルロプラスミンなどが低下し,脂溶性ビタミン(A,D,E,K)低下やリンパ球減少症を伴うことも多い。

    α1アンチトリプシン試験:3日間の蓄便と血液試験を要する。α1アンチトリプシンクリアランス13mL/日以上を異常とする。α1アンチトリプシンは胃液の酸により分解されやすいので,メネトリエ(Menetrier)病のように胃からの蛋白漏出の場合にはプロトンポンプ阻害薬(PPI)などを投与し,胃酸分泌を抑制してから検査する必要がある。蛋白漏出性胃腸症(protein-losing gastroenteropathy)の診断基準案を表11)に示す。

    腸リンパ管拡張症


    *:クリアランス=便量×便中α1アンチトリプシン÷血中α1アンチトリプシン濃度

    シンチグラフィー:99mTcヒト血清アルブミン,99mTc-DTPA結合ヒト血清アルブミンを静注し,消化管への漏出の有無をシンチグラフィーで確認する。

    胃・小腸内視鏡:白色絨毛,散布性白点,白色小隆起は粘膜内のリンパ管拡張を反映し,粘膜下腫瘍様隆起は粘膜下層のリンパ管拡張を反映すると考えられている。メチレンブルー色素散布では蛋白漏出のため染色が不均一になる。組織学的所見ではD2-40染色で拡張したリンパ管を粘膜固有層や粘膜下層に認める。原発性腸リンパ管拡張症(lymphangiectasia intestinalis,intestinal lymphangiectasis)の診断基準案を表22)に示す。

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