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緊張型頭痛[私の治療]

No.4985 (2019年11月09日発行) P.47

大和田 潔 (秋葉原駅クリニック院長)

登録日: 2019-11-12

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  • 緊張型頭痛は,頻度により稀発反復性緊張型頭痛と慢性緊張型頭痛にわけられる。月の半分以上で頭痛が起こる慢性緊張型頭痛は,日常生活動作(ADL)を大きく損ねるため,治療が必要となる。片頭痛や薬物乱用頭痛の合併に注意が必要である。慢性緊張型頭痛は,うつ状態や身体化障害などの精神科的疾患が呈する様々な症状の中の目立つ1症状にすぎない可能性があることも忘れてはならない。

    ▶診断のポイント

    緊張型頭痛ならではの症状やメルクマールがないため,対比される片頭痛や他疾患との比較が診断のポイントとなる。両側性で30分から1週間ほど続き,拍動性でないことが特徴とされている。また,片頭痛でよくみられる動作による増悪や,悪心・嘔吐,光過敏や音過敏といった随伴症状が認められないとされる。しかし筆者は,頭痛がつらいため外来にやってくる症例においては,緊張型頭痛と片頭痛が様々な割合で合併している場合が多いと考えている。また,慢性的に頭痛が続くことが多いため,薬物乱用頭痛に陥っていることも多々ある。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    まず,基礎疾患の除外を行う。慢性的に頭痛が起きている場合,椎骨動脈解離や脳腫瘍,もやもや病などの先天性疾患など頭蓋内疾病の除外が必要である。CTだけでは不十分で,MRIとMRAを行うとよい。次に頭痛が,どのような症状であるかを確認する。月に15日ほど頭痛がある典型的な症例の場合,筋弛緩薬と非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)にて様子をみる。

    基礎疾患がないにもかかわらず朝から夜まで連日1カ月以上頭痛が続いている場合は,精神的負荷や睡眠リズム障害による頭痛を考慮する。精神的負荷による頭痛は,強弱なく朝から起きている間ずっと,途切れる日がなく連日頭痛が起きてくることも特徴のひとつである。

    長時間の頭脳労働と睡眠リズム障害を強いるコンピュータを扱う仕事に就く人が激増しているため,精神的疲労は急増している。その基盤の上にさらに精神的負荷が加わると,慢性的な頭痛に連続的に移行することも多くなっている。そのため,休養をとり不眠を改善すると,緊張型頭痛の改善につながることも多い。こういった場合,頭痛は,不眠だけでなく意欲の減退や食思不振,起床困難などの数々の身体症状の中の「目立つ症状のひとつ」にすぎなくなることも多い。

    従来使用されていたベンゾジアゼピン系薬剤は,連用に陥ることが多いため,用いないようにしている。うつ状態や身体化障害などが疑われる場合,就労支援を得意とする精神科医の加療もしくは連携が必須となる。精神科医も,注意してベンゾジアゼピン系薬剤を用いることが多くなってきている。

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