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支払側、今改定は「80点」―入院基本料、薬価制度の抜本見直しを評価

No.4895 (2018年02月17日発行) P.12

登録日: 2018-02-07

最終更新日: 2018-02-07

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改定内容に対する評価と改定論議の総括を述べる支払側委員

中央社会保険医療協議会の支払側委員は7日、2018年度診療報酬改定の内容が答申されたことを受け、会見を開いた。幸野庄司委員(健康保険組合連合会)は支払側を代表して、入院医療の評価体系や薬価制度で大幅な見直しが図られた点を評価し、100点満点で「80点くらい」と総括した。

幸野氏は、一般病棟入院基本料の再編・統合に関して、施設基準を評価する従来の評価体系から入院患者の実態を加味した体系に変わる点を評価。一方、最終的に公益委員による裁定が行われた「急性期一般入院料1」(現行の7対1相当)の「重症度、医療・看護必要度」における該当患者割合(30%)には「将来の医療ニーズに即した基準値を今後検証する必要がある」と不満をにじませた。

薬価制度の抜本改革については、効能追加による市場拡大への対応などで新ルールが導入されることを踏まえ、「高額薬剤が次々に上市される中で、薬価の適正化が図られる点は評価したい」とし、今後、費用対効果の本格導入に向けた議論を深めるべきとした。

■初診料の機能強化加算、「患者から見えにくい」

今改定では、外来の機能分化を進める観点から、診療所や200床未満の病院などの初診料に「かかりつけ機能強化加算」(80点)が新設される。

これについて幸野氏は「患者からは点数が見えにくい。点数の妥当性の検証も必要だ」と述べ、算定施設では院内掲示などで明示すべきとの考えを示した。吉森俊和委員(協会けんぽ)は「地域包括ケアの構築を進める上で、今後もかかりつけ機能の強化が重要な論点となる」との考えを示しつつも、「(80点は)個人的には高いと思う」との印象を語った。

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