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プロトンポンプ阻害薬とガストリン高値の関係は?【ガストリン値は酸分泌抑制の強度に依存して上昇するため,PPIにより亢進する】

No.4891 (2018年01月20日発行) P.58

鈴木秀和 (慶應義塾大学医学部医学教育統轄センター教授)

登録日: 2018-01-23

最終更新日: 2018-01-16

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  • プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)とガストリン高値の関係について,以下をご教示下さい。
    (1)オメプラゾール,ランソプラゾール,ラベプラゾール,エソメプラゾール,ボノプラザンを比較すると,すべてにおいて高値になりますか。
    (2)休薬すれば値は下がりますか。また休薬期間はどの程度必要でしょうか。
    (3)ガストリン高値のケースの胃内視鏡像について。

    (島根県 Y)


    【回答】

    (1)PPIすべてで高値になるか

    ガストリン値の上昇は,酸分泌抑制によるpHの上昇がシグナルとなって,フィードバックによりG細胞からのガストリン分泌が亢進することで起こります。そのためガストリン値の上昇は,酸分泌抑制の強度に依存して起こります。血中ガストリン値の上昇は,H2ブロッカーの投与でも多少起こり,オメプラゾール,ランソプラゾール,ラベプラゾール,エソメプラゾールなどの従来のPPIの常用量の投与で,さらに上昇することが知られています。PPI内服時間と食事摂取のタイミングによる胃内pHの日内変動に呼応して,血中ガストリン値も日内変動することがわかっており1),採血条件により変動することにも留意すべきです。

    通常,従来のPPIでは,内服開始から約2~3カ月後には正常値の2~4倍に上昇しますが,オメプラゾール,ランソプラゾール,ラベプラゾール,エソメプラゾールのいずれにおいても上昇します。しかし,血中ガストリン値の上昇は酸分泌抑制の強度によるので,PPIの代謝の遅い(高い血中濃度が持続する)poor metabolizer(PM)では,代謝が速いextensive metabolizer(EM)よりもさらに上昇するため,このCYP2C19での代謝を主とするPPIでは,PMの場合,より上昇しやすくなると考えられます。低用量アスピリン長期投与が必要な胃潰瘍・十二指腸潰瘍既往患者にランソプラゾール15mgを5~12カ月間投与すると,PMではEMより平均血中ガストリン値は高くなりましたが,EMでも最大値が3000pg/mL以上になる例や,PMでも最小値が100pg/mL以下になる例もあり,従来のPPIでも変動することがわかりました。

    そういった点から,酸分泌抑制が強く効果も持続的なボノプラザンでは,承認審査時の試験データでも,平均血中ガストリン値は従来のPPIより一段高くなっており,ボノプラザン20mgでは,10mgに比してより高い血中ガストリン値を呈することがわかりました2)

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