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タヒチで見た月[炉辺閑話]

No.4889 (2018年01月06日発行) P.105

中田一郎 (白十字総合病院外科)

登録日: 2018-01-07

最終更新日: 2017-12-20

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中秋の名月、今年も「月」が美しい。月の表面の模様について、私は小さい頃より「ウサギが餅をついている」と言い聞かされてきた。よく月の表面の模様を観察してみると、なるほどと思う。先人の観察力とその思いにロマンを感じる。すなわち、その模様は、満月のとき、月の右上にウサギの耳が、次に顔、左側に体、その右側に杵を持った手、そして右下に臼などが観察される。なるほど。しかし、他の国々ではその表現に違いがあるようだ。たとえば、バケツを運ぶ女、本を読むおばあさん、大きなはさみのカニの姿、横向きの女性、水を担ぐ男女、吠えているライオン、薪を担ぐ男などなど、それぞれの民族の「月」への思いが感じられて面白い。

ところで、我々が地球にいる限り「月の裏側」を見ることはできない、という事実がある。それは、月が常に同じ面を地球に向けているからである。なぜか?その理由は、月の表面には鉄分が多く含まれており、月の重量に差をつくり出していることに関係しているという。重たい面が内側(地球側)を向いていて地球の引力を強く受け、軽い面は常に外側を向いている。さらに、月自身が回転する月の自転周期と、月が地球の周りを回る公転周期がほぼ等しいことにもよるという。それで、地球から見る月の表面は常に同じということになる。

私は、昨年の夏休みはタヒチのボラボラ島に滞在した。タヒチは、それは自然豊かなところで、特に海の美しさは、どこの海とも比較しがたいほどであった。私は多くの小さな魚たちとともに泳ぎ、楽しんだ。

帰国のとき、タヒチの国際空港で、滞在中の余韻に浸りながら空を見上げると、きれいな月が出ていた。

「あれ変だ! 逆さまに見える」。月の表面の模様のウサギの耳は、月の左下に見え、日本とは180度違って見えた。

そうだタヒチは南半球だ! 地球も、月も、太陽も1つ。地球に立つ人の位置で月の見え方が違ってくるようだ。すなわち、南半球にいる今の自分は、北半球にいる人々から見ると「逆立ち」をしている格好になるのである。月は、地球で見る位置の緯度の差だけ回転していくようだ。不思議!

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