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懐かしいお名前を発見しました[炉辺閑話]

No.4889 (2018年01月06日発行) P.104

中野 武 (安曇野赤十字病院病院長)

登録日: 2018-01-07

最終更新日: 2017-12-20

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昨年の「炉辺閑話2017」の執筆者に懐かしいお名前を発見しました。獨協医科大学精神神経医学講座主任教授の下田和孝先生です。何処かで出会ったお名前、お写真を見て、米国で一緒だった下田先生だとすぐわかりました。同世代で、お互い子どもが生まれたばかり、という共通点がありました。家族で一緒に出掛け、バーベキューをした記憶があります。帰国後は年賀状のやり取りくらいで次第に連絡は途絶え、その後に下田先生がカロリンスカに留学されたのを風の便りで知りました。自分は帰国後に今の病院に赴任し、研究の世界から早々に退場しました。領域も異なり、下田先生が西日本から現在の大学に移られたことさえ知らずにいました。

ご一緒だったのは、米国ノースカロライナ州チャペルヒルの大学です。1989年に昭和天皇が崩御され、昭和という時代の終焉、平成の始まりをCNNで見ていた頃です。近隣にデューク大学、州立大学や政府の研究機関もあり、学生、研究者、企業の駐在員もおられ、日本人村という親睦会もありました。3年間の留学期間中に、多くの日本の方と出会いました。有名教授となってご活躍中の方が何人もおられることなど、下田先生から今回メールで伺いました。あれから約30年が過ぎました。

当時、下田先生の研究テーマのひとつは睡眠だったでしょうか。自分たちがラボと呼んでいた研究室が同じビルにあり、下田先生とは季節と睡眠のことで話が弾んだ思い出があります。米国のサマータイムの制度も懐かしいですが、日が短くなり冬が来て、また長くなって春が来る。この緩やかな周期と睡眠の質との関係が話題だったと思います。

当時、自分は遺伝子の仕事をしていました。年中ほぼ一定温度に保たれた研究室を出て帰宅するとき、肌に触れる外気に季節を感じたのも遠い日の記憶です。幾つもの季節が過ぎました。「炉辺閑話」を読んで、そんなポスドク時代の出会いを大変懐かしく思い起こしました。

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