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SGA性低身長症の成長ホルモン増量のタイミング【1年目9cm/年以上,2年目7.5cm/年以上,3年目以降6cm/年以上の成長率を目標に増量】

No.4877 (2017年10月14日発行) P.60

田島敏広 (自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児科教授)

田中敏章 (たなか成長クリニック院長)

登録日: 2017-10-15

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  • SGA(small-for-gestationalage)性低身長症への成長ホルモン(growth hormone:GH)治療が保険適用となり,10年弱が経過しています。SGA性低身長症へのGH治療では,GH投与量は0.23mg/kg/週から0.47mg/kg/週とされ,効果不十分の場合には増量することが可能です。しかし,効果不十分と判定するタイミングに迷うことがしばしばあります。成長速度がわずかに改善している場合でも,より早期に増量するほうがよいでしょうか。SGA性低身長症へのGH治療における,特に増量のタイミングについて,この分野で豊富なご経験を持つ,たなか成長クリニック・田中敏章先生にご教示をお願いします。

    【質問者】

    田島敏広 自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児科教授


    【回答】

    ガイドラインに必ずしも従っているわけではありませんが,私の行っている治療法について述べさせて頂きます。私のSGA性低身長症における成長ホルモン(GH)治療の初期の治療方針は,早期に低身長の改善をめざすことです。具体的な目標は,-1SD前後の身長SDスコアです。通常,-2.5SD~-3.0SDぐらいで治療を開始するので,1.5SD~2SDの身長改善が必要ということになります。そのための成長学的(auxological)な治療目標としては,1年目9cm/年以上,2年目7.5cm/年以上,3年目以降6cm/年以上の成長率を達成することです。3年間で1.5SD以上の身長SDスコアの改善ができれば,-1SD前後の身長SDスコアを達成することができます。

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