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命を救うことのできた間質性肺炎の一例[プラタナス]

No.4875 (2017年09月30日発行) P.1

山口哲生 (東京メディサイトクリニック)

登録日: 2017-09-29

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  • 2008年のある日、50代の男性患者の奥さんが、予約もなく私の間質性肺炎外来を受診した。話をうかがうと、「夫は特発性肺線維症(IPF)と診断されて、ステロイド治療を受けていますがよくならなくて、今は自宅で酸素を吸いながら死ぬのを待っている状態です。なんとかならないでしょうか?」と言う。このようなIPF患者さんは多い。がんでもないのに、「肺移植ができなければ、次第に呼吸が苦しくなって5年くらいで死亡する」と言われるのである。患者さんの気持ちはわかるが、多くはどうしようもない。

    ところが、この患者さんは少し様子が違った。「それまではとても元気だったんですけど、この7月から急に息が切れるようになって、8月に入院して治療を受けたのですが、よくならなくて……」と。「え?それはIPFじゃないですよ」と私。IPFは慢性の疾患であるから、1カ月の経過で息切れが進んで悪化するのは別の病態であり、あきらめて放置しておいてよいものではない。

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