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軽症気管支喘息のステップダウン方法【3カ月ごとのICS用量の25~50%の減量は実行可能で安全】

No.4868 (2017年08月12日発行) P.54

金子教宏 (亀田総合病院呼吸器内科部長/亀田京橋クリニック副院長)

放生雅章 (NTT東日本関東病院呼吸器センター センター長)

登録日: 2017-08-09

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  • 喘息発作で入院し,当初は感冒による発作と考えましたが,話を聞くとアトピー型の気管支喘息で,年に1回ほど感冒や季節の変わり目に喘鳴や発作になるとのことで,軽症間欠型の気管支喘息と考えられる患者において,ブデソニド200μg/日でコントロール良好になった場合のステップダウンについてお聞きしたいと思います。自分自身は,コンプライアンスに問題がなければこのまま継続することもよくありますが,一般的には3~6カ月で患者に教育し,増悪したときに受診するよう伝えるということでよいのでしょうか。NTT東日本関東病院・放生雅章先生にご教示をお願いします。

    【質問者】

    金子教宏 亀田総合病院呼吸器内科部長/ 亀田京橋クリニック副院長


    【回答】

    コントロール達成後のステップダウン方法については,いまだ明確な指針がないのが現状だと思います。わが国の「喘息予防・管理ガイドライン2015」では,「喘息コントロール良好な状態が3~6カ月間持続したら,治療のステップダウンを試みる」との記載にとどまっています。特にご質問の患者のように,低用量吸入ステロイド(inhaled corticosteroids:ICS)単剤でコントロールされている状況でICSの中止は可能か,と判断に迷うケースは臨床的によく遭遇し,重要な問題と言えますが,意見はわかれます。

    この患者の治療内容を各ガイドラインが定める治療のステップに当てはめると,わが国のガイドラインでは,一番基本的なステップ1となります。これは気道リモデリング抑制の観点からICSの早期導入,長期継続を勧めているからです。

    一方,世界的に最も使用されている国際ガイドライン「Global Initiative for Asthma(GINA)2017」では,低用量ICSは治療ステップ2に当たります。ステップ1は短時間作用性β2刺激薬の頓用のみとなっており,低用量ICSからのステップダウンの余地を残しています。GINAでは,治療ステップごとのステップダウン方法について,より詳細な記載がされています。ここでは治療ステップ2の記載について述べます。

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