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気管・気管支軟化症の病態とその治療法は?【気管・気管支の構造の脆弱性により生じる。気管支喘息やCOPD患者の説明がつかない気管支症状出現時には疑う余地あり】

No.4866 (2017年07月29日発行) P.68

奈良正之 (東北大学病院臨床研究推進センター特任教授)

登録日: 2017-07-25

最終更新日: 2017-07-25

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  • 成人の気管支軟化症の病態や原因,有病率や治療法について教えて下さい。

    (福岡県 S)


    【回答】

    気管支軟化症は,気管支の脆弱性により生じる疾患です。気管支だけではなく,気管にも同様の病変がみられることが多く,気管・気管支軟化症(tracheobronchomalacia:TBM)と呼ばれることが多くあります。

    本症は形態学的に三日月型(crescent type)と刀鞘型(saber-sheath type)に分類できます(図1下)。気管・気管支は,解剖学的に膜様部と軟骨部からできています(図1上)。三日月型では膜様部が著しく菲薄化しています。これには膜様部の縦走弾性線維の減少や萎縮が寄与しています。刀鞘型では気管軟骨の断裂がみられます。つまり本症は,構造的な膜様部における縦走弾性線維の減少や軟骨部の障害が原因で起こるものと考えられます1)2)

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