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(7)歩くのがつらく力が入らない81歳男性[特集:備えておくべき重篤疾患の診かた─見落としを防ぐには]

No.4718 (2014年09月27日発行) P.41

編集: 本村和久 (沖縄県立中部病院プライマリケア・総合内科副部長)

山本さやか (自治医科大学附属病院臨床検査医学助教)

小谷和彦 (自治医科大学医学部臨床検査医学准教授)

登録日: 2016-09-01

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  • 1.初期症状

    70歳代の女性。高血圧症,脂質異常症,骨粗鬆症で通院しており,サイアザイド,スタチン,ビタミンD製剤の内服薬で治療中であった。既往(手術)歴には虫垂炎(30歳頃)と子宮筋腫(46歳時)があった。「最近,あまり食欲がなくて……。寝つきが悪くて何度もトイレに行く。気持ちが沈んで仕方がない」と受診した。最近,姉が亡くなったという。

    2.考えられる疾患

    主訴からは,①食欲不振,②睡眠障害,③夜間頻尿,④抑うつ状態,が挙げられた。高血圧症,脂質異常症,骨粗鬆症といったありふれた疾患に対してそれぞれ内服治療をしている高齢の女性に生じた,比較的不定な愁訴であった。糖尿病をはじめとする内分泌代謝異常症の初発の可能性はどうだろうか?近親者の死亡というライフイベントは明らかであり,抑うつによる心身の症状と考えてもよいだろうか?

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