株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

医師議員が偏在問題と専門医制度で討論会 【臨床外科学会】

No.4833 (2016年12月10日発行) P.10

登録日: 2016-11-30

最終更新日: 2016-12-05

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

医師資格を持つ参議院議員5人が11月25日、日本臨床外科学会総会の政党討論会で、医師偏在対策や新専門医制度に対する見解を語った。

古川俊治氏(自民)は医師偏在について、「数ある地域間偏在の問題の1つで、雇用・生活の安定を得られる場所(を求めて人が移動する傾向)に付随して起こった」との認識を示した。その上で、有効と考える偏在対策としては、大半の病院が医師確保を医局に頼っている現状を踏まえ、医局の派遣機能の再制度化を提案。「大学、医師会、行政と密に話し合う体制の構築が解決の近道」とした。

小池晃氏(共産)は、2024年にも医師が供給過剰に転じるとの厚生労働省の推計について、「医師の長時間過重労働を改善せずにあるべき医師数を語るべきでない」と問題視。公的な規制による偏在是正策には、「人口も商業も偏在しているのに、医療だけ強制的に是正できるわけがない」と述べ、経済など他分野の視点を踏まえて考えるべきとした。

秋野公造氏(公明)も、公的な規制による偏在是正には疑問を示し、へき地等勤務を医療機関の管理者要件には「すべきでない」と反対した。

■「新専門医制度で偏在是正」に違和感

新専門医制度を巡っては、足立信也氏(民進)が「『専門医の質向上』と『医師偏在是正』という相容れない目標を同時に掲げている」と指摘。古川氏と小池氏も、同制度に偏在是正を期待する考えに違和感を示した。

薬師寺道代氏(無所属)は「医療界は行政の中で物を言える医師を養成してこなかった」として、社会医学系の専門医の養成を求めた。

関連記事・論文

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top