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日本式糖尿病診療を中国で実践、有効性が明らかに - 東大・飯塚特任講師

No.4815 (2016年08月06日発行) P.13

登録日: 2016-08-06

最終更新日: 2016-10-30

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東大糖尿病・代謝内科の飯塚陽子特任講師(写真左)が7月28日、東大メディア懇談会で講演し、「日本式糖尿病診療サービス」を中国で実践した結果、有効性が明らかになったと発表した。
国際糖尿病連合の調査によると、世界で最も糖尿病が多いのは中国(2013年時点)。有病者は9840万人、耐糖能異常は5495万人いるとする。また中国の糖尿病診療の多くは、医師と患者の関係だけにとどまり、チーム医療は行われていない。そこで飯塚氏は、日本の糖尿病診療の特徴である医師、看護師、管理栄養士、薬剤師などによるチーム医療を日本式糖尿病診療サービスと位置づけ、経済産業省の採択事業として2011年度に中国の上海、12年度に杭州で有用性を調査。15年度は北京にも展開した。

●「アジアの糖尿病診療のスタンダードを作りたい」
調査では月に1回、2日間の日程で5回にわたり、医師による診療のほか、糖尿病教育、フットケア指導、栄養指導、服薬指導などを実践。これまで600人を超える患者を診療した。その結果、体重・血糖値・血圧・脂質・尿中微量アルブミン等、調査したすべての項目が有意に改善した。
飯塚氏は、「日本式糖尿病診療サービスのニーズは中国で極めて高い」と手応えを述べた上で、来年から日本政府と民間企業が連携して、中国全土に日本式糖尿病専門病院を設立する計画が進行していることを紹介。さらに今後は、現地の医療者の育成に力を注ぐ方針を説明するとともに「糖尿病を軸とした予防・診断・治療サービスネットワークや臨床・教育・研究拠点の構築を目指し、アジアの糖尿病診療のスタンダードを作りたい」と意欲を示した。

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