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【コラム2】「一定の規制」に“譲歩”、医療団体の変化 [特集:地域枠から考える医師養成と偏在問題6]

No.4827 (2016年10月29日発行) P.27

登録日: 2016-10-28

最終更新日: 2016-10-28

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医師偏在問題への対応を巡っては、この1年の間で医療団体に変化が見え始めている。

日医と医学部長病院長会議は昨年12月、『医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言』を共同で発表した。同提言には「各大学に卒業医師の異動を生涯把握する『医師キャリア支援センター(仮称)』を設置する」といった構想のほか、「医師不足地域での診療経験を医療機関の管理者要件とする」といった規制的手法を用いた偏在対策も提案されている。

医学部定員を増やしてもなかなか解消されない医師偏在を前に、医療団体が一定の規制導入もやむなしと“譲歩”の姿勢を示したことは、注目に値する。ただ、日医の横倉義武会長が「規制的手法にはさまざまなアレルギーがある」(16年5月)と述べている通り、規制的手法には賛否両論がある。

こうした状況を踏まえてか、『骨太方針2016』の検討段階で「規制的手法も含めた地域偏在・診療科偏在対策を検討する」とされていた文言が与党内の調整を経て、最終的に「実効性のある地域偏在・診療科偏在対策を検討する」と修文された。

医療界主導で実効性ある偏在解消の施策を提案できるかが、今後の大きな焦点となる。

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