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認知症サポート医の役割  【地域のリーダー的な役割として期待される】

No.4807 (2016年06月11日発行) P.51

遠藤英俊 (国立長寿医療研究センター内科総合診療部部長)

登録日: 2016-06-11

最終更新日: 2016-10-26

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2005年度より認知症サポート医養成研修が日本医師会の協力のもとに推進されている。14年度は,かかりつけ医の認知症対応力向上研修を受けた医師が4万名程度で,サポート医は約5000名の医師が研修を終えた。認知症ケア支援体制の整備として,早期発見・診断,相談体制,家族支援などが検討されており,医師は特に認知症の早期発見と診断に重要な役割を果たす必要がある。
地域では都道府県の仕事として,厚生労働省と医師会が連携し,かかりつけ医に対して認知症対応力向上研修を06年度から開始した。国の企画で都道府県事業としてサポート医の研修が行われ,国立長寿医療研究センターがサポート医の養成を行っている。つまり,かかりつけ医研修の企画運営を第一の目的とし,また地域のリーダー的な役割を期待してサポート医の研修を開始した。
サポート医はかかりつけ医研修を支援し,地域での診断や治療をチームでサポートし,認知症になっても安心して地域で生活を継続できる体制が構築できることを目的としている。また,サポート医は地域ネットワークの構築や連携を支援する場合もある。当初,サポート医にはかかりつけ医研修の講師役が期待されたが,さらに地域のリーダーとしてのネットワークの構築役も期待されている。一方,最近では18年までに全国市町村に設置される認知症初期集中支援チームのチーム員会議のメンバーに,その参加が必要とされている。そのため,新たにサポート医のためのフォローアップ研修や講演会が企画されている。

【参考】

▼ 日本医師会, 編:かかりつけ医のための認知症マニュアル. 西島英利, 監. 社会保険研究所, 2015, p12.

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